(午前)0時を示す時計の針

00時:ふんばりどころ

春の系外銀河密集地帯は迷いの森
迷路を最短ルートで走り抜く

0時から2時の間に、かみのけ〜おとめ座の系外銀河群18個を一網打尽にしなければなりません。おとめ座のM104以外は、小型なものばかりであまりパッとしたものがなく、ひたすら数をこなさなければならない時間帯に入ります。しかも気温が下がってきて、精神的にも肉体的にも疲れが出はじめます。しかし、ここが我慢のしどころです。苦しいですが気力を振り絞って、じっくりと足を運びましょう。

M85からM61までの15個の系外銀河は、北から南にバラバラと連なっているので、空さえ良ければイモヅル式に次から次へと捉えることができそうですが、どれも光のシミ程度にしか見えず、メシエ番号を確定するのが難しいところです。なお、しし座のβ星デネボラからこの系外銀河密集地帯に入ってゆくのが迷わないための秘訣です。

おとめ座とからす座の境界にあるソンブレロ銀河M104と球状星団M68は、からす座から探します。メシエ天体中最南端の系外銀河M83M68、もしくはスピカから当たりをつけましょう。

このエリアの系外銀河のチェックでモタモタしていると、あっという間に冬でかせいだアドバンテージを失なうどころか、次の時間に食い込んでしまうことになります。どうしても系外銀河を確認することができないときは、深追いするのは禁物です。いさぎよくあきらめて、次の天体へむかう勇気も必要です。

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星図

おとめ、かみのけ座の系外銀河密集地帯を迷わずに通り抜けるにはルートを定めた上で、イモヅル式に攻める。

しし座のβ星デネボラから東へ27'望遠鏡を振り、6番星をはさんで東西に並ぶ系外銀河の東側が楕円形のM98、西側のM99は円形の星雲状だがどちらも小さく暗い。6番星から東北東へ約2゚にはM100がある。楕円の中心核をガスが取り巻くといった感じに見える。

M100の北約2゚にある11番星の東1゚ にはM85。とにかく小さい。望遠鏡で円形の星雲状にしか見えない。M85から南へ約5゚ に楕円銀河M84M86が東西20'の間隔で並ぶ。西側がM84どちらも小型の暗い球状星団といったところ。

M86の東南東約5'にある楕円銀河がM87。核の明るい星雲状。ジェット噴流が出ていることで有名。M88M87の北約2゚ にある。楕円形の星雲状に見える。

M89M90M87の東約1゚。M90M89の北0.6゚で60倍以下なら同一視野。どちらも淡い光芒に過ぎない。

M90の南約1.5゚には棒渦巻き銀河M58がある。楕円形の核とそれを取り巻く光芒が見える。M59M60M58の東約1゚の楕円銀河。M60はその東23'にある。同一視野で見られる。どちらもにじんだ恒星状だが、M60の方が明るく大きい。

星図を印刷される方は印刷用モノクロ星図ページをご利用ください。
星図のサイズも用紙の幅にあわせて自動調整されます。

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星図

ここまできたら、系外銀河密集地帯を抜け出して、おとめ座ρ星の南西約3.7゚の楕円銀河M49へ移ろう。けっこう大きく南北に伸びた楕円形だ。 おとめ座η星の北約5゚ にある系外銀河M61M101のような形だが、暗いため中心核を淡いガスが包むという感じだ。

M104はからす座δ・ η星からの方が見つけやすい。球状星団M68M104の南約15゚ にある。比較的明るくファインダーで確認できるが、望遠鏡でも円形の星雲状といったところ。次はスピカから思い切り南下してうみへび座γ星を探し、そこから南東に視野を振って系外銀河M83を見つけよう。ファインダーでかすかに見え、望遠鏡では明るい核を中心に光芒が広がる。

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22時:ペースをキープ

02時:給水ポイント

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