火星誕生から4億年で水が半減

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【2014年4月16日 名古屋大学

日本の大学の研究チームが、火星誕生から約4億年の間に水が大量に失われた推移を隕石の分析などからつきとめた。残った水の大部分が氷として地下に現存する可能性も指摘されている。


火星の水量の変化

(上)火星隕石からわかった、火星表層の水の水素同位体比の変化(下)理論計算で得られた水の量の変化。クリックで拡大(発表資料より)

4月14日の火星

4月14日に撮影された火星。クリックで投稿ギャラリーのページへ(撮影:千葉県茂原市にて、Take@長生星空愛好会さん)

火星における水の存在は、現在は極域にわずかに氷として発見されているだけだ。しかし探査機などのデータによれば、かつては大量に存在したとみられている。

東京工業大学と名古屋大学の研究チームでは、火星の水がいつどのくらい、どのようにして失われたかを探る研究を行った。重水素(中性子を1個持つ)と、より宇宙空間へ逃げやすい軽い水素(中性子を持たない)の存在比率の推移を、火星隕石のサンプル分析と理論計算により調べるというものだ(画像1枚目)。

その結果、火星誕生から約4億年の間に、火星表層にもともと存在した水の50%以上が宇宙空間に流出したこと、また残りの水の大部分は火星の気候変動により氷となって現在でも火星の地下に存在する可能性があることが突き止められた。

火星が水を失った歴史の解明は、今後どのような火星探査を行うべきか、生命誕生の鍵となる海が形成される条件はどのようなものか、などの理解につながると期待される。

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