「キュリオシティ」、サンプル採取装置にショート発生

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火星探査車「キュリオシティ」のサンプル採取装置に電気ショートが発生している。検証の結果、掘削用ドリルの振動機構に問題がある可能性が高いという。

【2015年3月10日 NASA

2012年に火星に着陸した探査車「キュリオシティ」は、ゲールクレーターの中央にある「シャープ山」のふもと「パーランプの丘」で約5か月前から探査を行っている。この露出した岩盤では、それまでの探査場所に比べてアルミニウムやマグネシウムに対するケイ素の比率が高く、酸性の環境にあったことがうかがえる興味深い結果が出たことから、鉱物組成を調べるためにドリルを使ってのサンプル採取が行われてきた。

2月末、パーランプの丘での3度目のサンプル採取として「テレグラフ・ピーク」と名付けられた岩石を削り、ドリルから粉状のサンプルを採取装置にふるい落としていたところ、電気ショートが発生して動作が停止した。運用チームが検証した結果、ドリルの振動機構を動かすと瞬間的なショートが頻発することがわかった。今週中に検証を完了し、中断していたサンプルの処理を再開する見込みだ。

キュリオシティの他の装置による探査は継続して行っており、サンプルの収集後には、さらに高い場所を目指して移動を再開する予定となっている。

キュリオシティのサンプル採取用ドリル
2月24日、穴の掘削を終えた後のドリル。この後ショートが発生した(提供:NASA/JPL-Caltech/MSSS)

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