キュリオシティ、火星探査の準備を開始

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【2012年8月9日 NASA

NASAの火星探査車「キュリオシティ」が火星での初活動のようすを語る画像を次々に送ってきている。


火星の表面

小石だらけの火星表面。着陸数分後にMARDIで撮影された。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/MSSS)

「キュリオシティ」の影

「キュリオシティ」に搭載されたカメラNavcamがとらえた初めての画像。火星の表面と探査車の影が鮮明に写っている。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech、以下同じ)

内側から見たゲール・クレーター

着陸地点周辺の風景。遠くにゲール・クレーターの縁が見える。クリックで拡大

キュリオシティの自画像

キュリオシティの状態を確認するために、自画像も撮影された。クリックで拡大

ゲール・クレーターに無事に着陸した火星探査車「キュリオシティ」が早速活動を始めている。探査車に搭載されたNavcamが撮影し送られてきた画像には、キュリオシティが見た火星の遠景や自画像などが含まれている。

「キュリオシティの着陸は単に見事だったというだけでなく、研究チームに素敵な贈り物もくれました。Navcamの画像がそれを物語っています。着陸のときの噴射によって、深さ50cm程度の穴ができました。穴の底には火星の岩盤が姿を現しています。この穴は今後貴重なデータを与えてくれるでしょう」(カリフォルニア工科大学のJohn Grotzinger氏)。

水曜日には、1.1mのカメラマストが展開され、放射線測定装置RADが火星表面の放射線データを集めた。また、探査車の高感度アンテナのテストも行った。

キュリオシティに搭載されている10種類の科学装置は、重さが火星探査車「スピリット」や「オポチュニティ」の積載量の15倍にもおよぶ。離れた岩石の元素組成を調べるためのレーザー装置など、今まで火星で使われたことのない装置も含まれている。興味深い岩石が見つかると、キュリオシティはロボットアームの先に付いているドリルとシャベルで岩石内部の粉末サンプルを集め、ふるい分け、探査車の解析実験装置に送るようになっている。このような科学道具を扱うためにキュリオシティは、スピリットやオポチュニティより2倍長く、5倍重い構造になった。

キュリオシティ移動範囲内にはゲール・クレーター内部の山がある。軌道観測からその山の低い部分に、過去に水が存在していたことを示す粘土と硫酸塩鉱物の存在が確認されており、いずれキュリオシティが詳しく調べるだろう。

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