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Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

宇宙・0・無限大

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表紙
宇宙・0・無限大

  • 谷口義明 著
  • 光文社
  • 200ページ
  • 定価 902円

『天文学者が解説する 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」と宇宙の旅』『宇宙を動かしているものは何か』『アンドロメダ銀河のうずまき』『天の川が消える日』などの名著を、評者は全て読んだ。これらに共通している思想が、本書に具体的に描かれている。それは、読者の皆さんビックリする事なかれ、来世は簡単には「存在しない」ということ。

すなわち、(1) 宇宙に無限は存在せず、(2) 470億光年が現在宇宙の半径(そのうちよく言う138億光年をハッブル半径と呼ぶ)で、(3) 宇宙年齢38万歳時の宇宙の大きさは現在宇宙の約1/1000だった、(4) ビッグバン10-36秒後に開始したインフレーションは、潜熱である熱エネルギーの一部を残して10-34秒後に終了(ファイアーボール理論)し、その後膨張(ビッグバン)した(ビッグバンはホイルによると「大嘘」という意味)、(5) ビッグバンで合成された水素(陽子)とヘリウムの割合は9:1、(6) ファーストスター誕生は、ビッグバン約2億年後、ダークマター・ハローに含まれる普通の元素でできたガス中に星が生まれ、集積され、銀河として成長した(これを階層構造的合体モデルという)、等々…。

いやはや、読むだけで大変なことで、文系の人は恐れをなすかもしれない。自分が理系と思い込んでいる人はぜひぜひ最後まで読み切ってほしい。来世の話は別の機会に。

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