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編集部オンラインニュース編集部による書評

時計遺伝子 からだの中の「時間」の正体

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表紙
時計遺伝子 からだの中の「時間」の正体

  • 岡村均 著
  • 講談社
  • 256ページ
  • 定価 1100円

毎年6月10日の時の記念日のために、時についての本を新刊書店で探していたときに、見つけたのが本書。内容を確かめずに他の天文書とともにカウンターに並んだ。家に持ち帰り、開けてみると、残念ながら天文書ではなく、医学書だった。

だが、評者にとってそれは深く天文学に関わっていた。一旦寝床に入って、なかなか寝付けず、1、2時間過ぎ、仕方ないから起きて外に出ると、夜空が星だらけ。これは…と思い、望遠鏡と双眼鏡と肉眼で天体観測に耽り、もういいやと家の中に戻り、寝床に入った途端、深い眠りにも入る。そんな観測の夜である。何で一刻も早く眠ることができるのだろう。本書を読んで、それが人間にはどうしようもできない時計遺伝子のせいだとわかった。すなわち、短時間変動するホルモンのせいなのだ。夜に寝て短時間のみ分泌されるGHRHと呼ばれるホルモンのせいだとわかった! 寝る子は育つと言われるように、それは夜にだけ分泌される。夜の観測は、暗い中で躓かないよう手探り状態でバランスを取りつつ歩行し、いつもの場所にたどり着いて楽な姿勢を取りながら上を見上げ、美しい星空を眺めて幸せを感じた瞬間、ホルモンが分泌され、しばらく後に深い眠りに入るのだと本書で理解できた。体が時を感じられる仕組みを、本書でとてもよく知ることができる。

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