1ピクセルあたり80m、史上最高解像度の冥王星画像
探査機「ニューホライズンズ」がとらえた、これまでで最も詳細な冥王星の画像が公開された。窒素の氷で覆われた平原や不規則な形をした山脈、無数の穴の空いた地形などが見られ、それらの形成プロセスなどを研究するうえで大きな助けとなりそうだ。
【2016年5月31日 NASA】
公開されたのは、探査機「ニューホライズンズ」が2015年7月14日の冥王星最接近の23分前に約1万5850kmの距離から撮影した冥王星表面をモザイク合成して作られた画像だ、解像度は1ピクセルあたり80mで、冥王星の縁から昼夜境界線あたりまでがとらえている。
赤線の枠内が今回公開された画像にとらえられた領域。クリックで枠内だけ(約350×5000ピクセル、リリース元のオリジナルは約1000×15000ピクセル)を拡大表示(提供:NASA/JHUAPL/SwRI、以下同)
また、画像から作成された動画も公開されており、画像の上から下に沿って、大きくさまざまに変化する冥王星の地形を切れ目なく見ることができる。
公開された画像から作成された動画。黄色い線は約16kmの長さを表している
動画は画像上端の冥王星の縁からスタートし、続いて複数のクレーターが見え始める。その後、丘のような盛り上がった地形が複数存在している地形、「洗濯板」のような地形、不規則な形をした山脈、窒素の氷で覆われ細胞のように仕切られた模様が連続する平原、仕切りのない窒素の氷の平原と続き、同じく窒素の氷で覆われているが無数の穴の空いた地形を経て、最後に起伏の多い暗い高地が見えて動画が終わる。
この高解像度画像を詳しく調べれば、地形がどのようなプロセスで形成され、その後どうやって現在見られるような姿になったのか明らかになるかもしれない。「心が惹きつけられる最新画像です。冥王星への新たなミッションを計画して、冥王星全球の表面を高解像度で撮影してみたくなります」(ニューホライズンズ主任研究員 Alan Sternさん)。