Location:

Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

物理学者が解き明かす重大事件の真相

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Amazonで買う
物理学者が解き明かす重大事件の真相
 

  • 下条竜夫 著
  • ビジネス社 刊
  • 18.8×12.8cm、302ページ
  • ISBN 978-4828418636
  • 価格 1,944円

本書は天文書ではない。(1)福島原発事故1(2)福島原発事故2(3)福知山線事故(4)STAP細胞(5)和歌山カレー毒事件(6)地球温暖化問題(7)現代物理学(8)仁科芳雄を述べたもの。原題をお読みいただかないと、著者の意図が伝わらないが、一言で言えば、理科系の眼で見ると、一般の人の視点とは違った見方ができるという趣旨であり、現代科学史を学ぼうと思う人には必読書である。もちろん天文屋の評者が学んだ一番は(6)だ。

評者は、温暖化よりも遙かに重要なのが太陽による寒冷化だと信じてやまないのだが、理科系の眼から見れば、(6)の何よりもデータが大事だという著者の主張には敬服する。最終的には、10年20年先のことが科学では断言できないと主張なさる著者の考えには賛同する。要するに、科学は天象を観て断言する占星術ではなく、データを観て確率的に推測するものなのだ。それが、かの国の気象庁は世界の気象学者が(誤ったデータ処理に基づく)推測を未だに根拠にしている。暖冬=温暖化の図式だ。と同時に(4)と(5)はこれまた噴飯級。評者はOさん(退職者)とHさん(死刑囚)が可愛そうでならない。読者の皆さん、ぜひ本書をお読み戴きたい。(1)(2)は情報隠諾と政府機関によるデータ誤認。(3)は本当の車体転倒原因がボルタレス台車にあるというもの。皆さんこんなこと訊いたことあります? (8)の「日本原爆の父」の戦争と兵器の話も、新しい科学史観になる!

この本を購入する Amazonで買う