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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

宇宙の果てまで離れていても、つながっている 量子の非局所性から「空間のない最新宇宙像」へ

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宇宙の果てまで離れていても、つながっている 量子の非局所性から「空間のない最新宇宙像」へ
 

  • ジョージ・マッサー 著、吉田三知世 訳
  • インターシフト
  • 19×13cm、352ページ
  • ISBN 978-4772695633
  • 価格 2484円

大変ロマンチックな書名でなんとなく宇宙への憧れを感じてしまうがどうしてどうして。手強い相手だった。だが、読み甲斐がある本だ。すなわち、量子力学と戦った本で、その手の本の愛好者にとっては、この上もない本。評者は、今を去る半世紀前の学生時代、親友を頼って物理学科の教室に、頻繁に出入りをしていたが、大体の場合実験物理の先生の部屋か力学専門の先生の部屋だった。理論物理の方々の部屋は敬遠していた。その思い出が本書を読んで、見事に復活してしまった。だが、同分野も最新宇宙論、チョー天文学だよと自分を納得させ、読み進んで遂に完読、充実感を味わうことができたのだ。

本書後書きにある著者・訳者の紹介によれば、著者は米国で有名な科学ジャーナリスト、訳者は有名国立大学の物理系を卒業し、量子力学を主とする翻訳家。要するに凄いメンバーで、まさに量子論をよく調査し、取材し、理解し、誰にでも判りやすく解説した本となった。これで判らなければ、量子宇宙論を諦めなさいといえる。評者はもちろん諦めません。なぜなら、ブラックホールから地平線問題、空間・場・不確定性原理、アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼン原理、並行宇宙と超粒子、超弦理論、ワームホールといった最新宇宙論、更にビッグバンに関する最新宇宙論を学ぶ楽しさを、貴方は味わえないはずだ! ぜひ、皆さんにお勧めします。ここまで宇宙論は進んでいるのです。

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