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重力のからくり 相対論と量子論はなぜ「相容れない」のか

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表紙
重力のからくり 相対論と量子論はなぜ「相容れない」のか

  • 山田克哉 著
  • 講談社
  • 272ページ
  • 定価 1210円

著者ブルーバックス刊のからくりシリーズ第7冊目。宇宙のからくり、光と電気のからくり、量子力学のからくり、真空のからくり、時空のからくり、E=mc2のからくり、に次ぐもの。いずれも天文学的に最高に面白い。中でも、本書「重力のからくり」は、筆者が近しい相対論(相対性理論)と筆者が苦手の量子論(量子力学)を対峙させて論じているので、最高に役に立った。1999年講談社科学出版賞受賞。ギルダー著『宇宙は「もつれ」でできている』という、これまた大変に面白い本の訳者でもある。

著者は日米の有名大学や大学院を卒業し、米国の有名大学で教授・助教授を勤め上げ、アメリカ物理学会会員でもある。いずれにしても、物理学の本道を学んだ人だから書ける本なのだ。いやぁ、講談社さん、優秀な著者を持っておられますね!

そもそも、重力や引力、斥力、重力波、ダークマター等々、目で見たり、肌で感じたりができないではありませんか。それがものの理を語る中心を今や果たしているのですよ。しかもそれらが全人類、全動物、全植物、岩石など全物質をコントロールしているのです。物理学って凄い学問ですね。今更ながら、評者は大学で、その物理学の一端を占める天文学を学んで良かったなと、本書を読んで実感するのです。ぜひ皆さんお読みください。たとえば、宇宙の加速膨張がビッグバン後になぜ起こったかなどが判って面白いですよ!

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