2008年 1月

正月の空は天頂に火星、南にシリウスと、紅白の明るい星が輝く。惑星である火星は、すでに地球への最接近を過ぎているので、望遠鏡で観察するなら上旬までがチャンス。それ以降は小さく、暗くなってしまう。一方、恒星のシリウスはいつまでも明るいままだが、日を追うごとに宵の空で早い時間から昇るようになる。もちろん、シリウスがオリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンと作る「冬の大三角形」の形は変わらない。

ところで、恒星の中にも明るさを変えてしまうものがある。その代表例がくじら座のミラだ。この時期は南西の空に見えているが、22日ごろに明るさが極大となる。前回は1.9等と記録的に明るい極大だったが、今回はどうなるだろう。

太陽系の小さな天体、彗星にも注目したい。まずは、27日に近日点を通過するタットル彗星(8P)。公転周期は13年だが、今回の回帰では比較的地球に近いところを通過するため、5日前後にうお座で5.5等程度まで明るくなる。2007年10月に異例の急増光を起こしたホームズ彗星(17P)も忘れてはいけない。こちらはペルセウス座にあって、依然6等以上の明るさを保っているはずだ。

最後になってしまったが、年始恒例の天文現象といえばしぶんぎ座流星群。ピークが鋭いことで知られるが、あいにく今年の極大予想は4日の昼ごろ。とはいえ、4日の未明は月が昇り始める午前3時まで好条件で観察できる。流星を見ながら、今年も天文界がにぎわうことを願いたい。

今月の星空1月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星1月

水星

上旬 中旬 下旬
等級 -0.8 -0.8 -0.2
視直径 5.1" 5.8" 7.5"
星座 いて やぎ やぎ
現象

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -4.0 -4.0 -4.0
視直径 14.2" 13.5" 12.9"
星座 さそり へびつかい いて
現象

火星

上旬 下旬
等級 -1.4 -0.8
視直径 15.1" 12.9"
星座 おうし おうし
現象
  • 31日 留

木星

上旬 下旬
等級 -1.8 -1.9
視直径 31.7" 32.2"
星座 いて いて
現象

土星

上旬 下旬
等級 0.5 0.5
視直径 19.1" 19.6"
星座 しし しし
現象

天王星・海王星

天王星(中旬) 海王星(中旬)
等級 5.9 8.0
視直径 3.4" 2.2"
星座 みずがめ やぎ
現象
  • 21日 天王星が小惑星パラスに最接近
  • 23日 海王星が水星に最接近
  • 31日 海王星が小惑星ベスタに最接近