【特集】土星(2022~2023年)

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2022年の土星は8月~12月ごろに観察シーズンを迎えます。0等級と明るいのでよく目立ち、街中でも簡単に見つけられます。

天体望遠鏡で観察すると環が見えます。傾きが小さくなったため細く見えるでしょう。衛星タイタンも見えるかもしれません。

土星を見つけよう

明るい黄白色の星

2022年の土星は「やぎ座」にあります。宵空で見やすいのは夏から年末にかけてです。明るさは約0等級で、街中でも肉眼で簡単に見つけられます。「南の空に見える、クリーム色の明るい星」と覚えておけばわかりやすいでしょう。

2022年10月中旬 20時の星図

2022年10月中旬 20時の空(東京)。画像クリックで表示拡大(ステラナビゲータで星図作成)。
(2022年6月(0時)7月(23時)8月(22時)9月(21時)10月(20時)11月(19時)

土星に関する現象カレンダー

2022年6月~2023年1月ごろに起こる、土星と月との接近などは、以下のとおりです。月との接近は、やや間隔は大きくなりますが前後の日にも見ることができます。

星図(10月5日、月と土星が並ぶ)

10月5日の宵~深夜、月齢10の月と土星が並ぶ。画像クリックで表示拡大(ステラナビゲータLiteで星図作成)。

日付 現象備考
10月 5日 月(月齢10)と並ぶ夕方~深夜
10月23日 留(りゅう)この日を境に、天球上を西→東に動く(順行する)ようになる
11月17日 東矩(とうく)太陽から90度東に離れる(日の入りのころ南に見え、深夜に沈む)
黄道座標系では11日
11月29日 月(月齢5)と接近夕方~宵
1月上旬
~下旬
やぎ座の3等星
デネブアルゲディと大接近
夕方~宵
最接近14日ごろ
1月中旬
~下旬
金星と大接近夕方
最接近23日ごろ
1月23日 細い月(月齢2)と接近夕方
2月17日 太陽と同じ方向に来る(見えない)
(過去の現象)
5月21日 西矩(せいく)太陽から90度西に離れる(深夜に昇り、日の出のころ南に見える)
黄道座標系では16日
6月 5日 留(りゅう)この日を境に、天球上を東→西に動く(逆行する)ようになる
6月19日 月(月齢19)と接近未明~明け方
7月15日 月(月齢17)と並ぶ深夜~翌16日明け方
6月中旬
~8月上旬
やぎ座の3等星
デネブアルゲディと大接近
宵~明け方
最接近7月18日ごろ
8月12日 月(月齢15)と並ぶ宵~深夜
8月15日 衝(しょう)
›› 解説
太陽の反対に来る(日の入りのころ昇り、深夜に南に見え、日の出のころ沈む)
9月 8日 月(月齢12)と接近
›› 解説
夕方~翌9日未明

土星は2023年1月下旬以降、太陽に近づいて見えにくくなり、2月中旬に合(太陽と同じ方向になること)を迎えて見えなくなります。明け方の東の空に見えるようになるのは4月中旬ごろからです。

モバイルアプリを活用

星空ナビ

無料モバイルアプリ「星空ナビ」は、スマートフォンを空にかざすだけで、その先にある天体などの情報を教えてくれます。ナビゲーション機能を使えば土星の方向まで星空ナビが案内します。

近いうちに起こる天文現象だけでなく、最新の天文ニュースもスマホに届きます。土星を見るだけでなく、探査や研究のニュースを通じて詳しく知ることでも楽しめます。また、1年間の天文情報をいつでも見られるなどの特典が得られる有料プランもあります。

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iOS/Android用
「星空ナビ」

星空ナビ

iステラ・スマートステラシリーズ

iOS用の「iステラ」「iステラ HD」、アンドロイド用の「スマートステラ」も、端末を向けた方向の空を画面にシミュレーション表示するので、土星の位置や周りの星の名前などが簡単にわかります。日時を変更して未来の見え方を事前に調べることもできます。

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iPhone/iPod touch用
「iステラ」
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Android用
「スマートステラ」
各社の「アプリ使い放題サービス」でもご利用いただけます

スマートステラでのシミュレーション

土星の見え方をスマートステラでシミュレーション。画像クリックで表示拡大。

火星、木星も見よう

秋ごろからは火星木星も見ごろを迎えます。惑星ウォッチングを楽しみましょう。

【特集】火星(2022年12月1日 地球最接近)
【特集】木星とガリレオ衛星(2022~2023年)

望遠鏡で環を見よう

土星の環を見るためには天体望遠鏡が必要ですが、それほど大口径のものや高い倍率でなくても大丈夫です。双眼鏡でも、手振れを抑えれば「真ん丸ではなく、何となく楕円っぽく見える」ことはわかるでしょう。手持ちの道具があれば、まずそれを土星に向けてみてください。

公開天文台や科学館などで開催される観望会(観察会、観測会)では、大きい望遠鏡で土星を見ることができ、環の中にある「カッシーニの間隙」と呼ばれる隙間や、8等級の衛星「タイタン」も見えてきます。お近くのイベント情報は、全国プラネタリウム&公開天文台情報ページ「パオナビ」で検索してみてください。
※新型コロナウイルス感染症対策として、事前申し込みや人数制限などの可能性があります。詳しくは施設やイベント主催者などにご確認のうえ、安全に注意してご参加ください。

土星

探査機「カッシーニ」が撮影した土星。表面の縞や極域の六角形の模様、環の中ほどにあるカッシーニの間隙などが鮮明に見える。画像クリックでリリース元ページへ(クレジット:NASA / JPL / Space Science Institute)。

変化する環の見え方

土星は地球と同様に傾いた状態で公転しているため、土星の赤道面上に広がっている環の見え方(見かけ上の太さ)は、年々変化します。2017年5月に土星の北半球が夏至を迎え、土星の北側が最も地球(太陽)の方向に傾いたため、環が太く見えていました。

それ以降、環の見え方はどんどん細くなっています。5年以上が経過した今年は、環の存在感が少し小さくなったような印象を受けるかもしれません。また、環の南側に土星の本体がよく見えるようになっています。

環の見え方の変化(2021~2023年)

2021年から2023年までの環の見え方の変化。画像クリックで表示拡大(北が上)。環の下(南)に土星の本体が見える。

環の見え方の変化(1995~2019年)

1995年から2019年までの環の見え方の変化(撮影:mtajimaさん)。画像クリックで表示拡大、撮影者名クリックで天体写真ギャラリーのページへ。1995年に環が消失→2002年に(南側に)傾き最大→2009年に環が消失→2017年に(北側に)傾き最大、という変化がわかる(南が上)。

2025年には地球や太陽から見て環が真横を向くような位置関係となるために、見かけ上土星の環が消えてしまう「環の消失」が起こります。さらにその後は土星の南半球が見やすくなるのに伴って再び環が太くなっていき、2032年には反対の南側の面が一番広く見えるようになります。

ステラナビゲータで
シミュレーション

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、環の見え方やタイタンをはじめとする衛星の位置などを正確にシミュレーションできます。観測や撮影に便利です。

▶ 体験版はこちら。1か月間無料で機能をお試しいただけます。

土星を撮影してみよう

カラーCMOSカメラを天体望遠鏡に接続して惑星を動画撮影し、その中から写りの良いフレームだけを選んで多数枚コンポジットすると、精緻で滑らかな惑星像を得ることができます。天体画像処理ソフトウェア「ステライメージ」を使うと、動画からのコンポジットはもちろん、カラーバランス調整やディテール強調まで簡単かつ詳細に行えます。画像を「作品」に仕上げてみましょう。

›› 天体写真ギャラリー「土星」 【2022年】 【2021年】

惑星を撮影しよう CMOSカメラで動画撮影、ステライメージで処理

「星ナビ」連載記事:

  • 2018年6月号:「CMOSカメラで惑星を撮る 1. 惑星撮影用の望遠鏡とカメラ」
  • 2018年7月号:「CMOSカメラで惑星を撮る 2. 惑星撮影用の準備と実際」
  • 2018年8月号:「CMOSカメラで惑星を撮る 3. 惑星の動画撮影」

星ナビ2018年6月号 紹介記事

星ナビ2018年7月号 紹介記事

星ナビ2018年8月号 紹介記事

オンラインショップ

アストロアーツのオンラインショップでは、天体望遠鏡などを多数取り扱っています。環を自分の目で観察してみましょう。ライトやクッションなどの便利グッズ、太陽系のことが詳しくわかる書籍などもあります。

天体望遠鏡やグッズはアストロアーツオンラインショップで

土星に関するマメ知識

土星は大きさ(環を含まない、赤道部分の直径)が地球の約9倍ある、木星に次いで太陽系で2番目に大きい巨大ガス惑星です。太陽からおよそ14億km離れており(太陽~地球の約10倍)、30年かけて公転しています。

表面には木星と同様に縞模様が見られます。また、北極域には六角形の不思議な模様が存在しています。

土星最大の特徴といえば「環」でしょう。環は主に、直径数cmから数mの氷の粒が同心円状に集まってできていて、ところどころに隙間が見られます。幅(明瞭な部分)は土星本体の約2.3倍のところまで広がっていますが、厚みは数百mほどしかありません。

環

探査機カッシーニが撮影した土星の環。画像クリックでリリース元ページへ(クレジット:NASA / JPL / Space Science Institute、以下同)。

星ナビ2021年10月号 紹介記事

「星ナビ」2021年10月号で土星の環を8ページ特集。観測や探査の歴史、形成のメカニズムなどについて解説。

衛星

土星には80個以上の衛星が見つかっていて、太陽系の惑星で最多です(2022年5月時点)。そのうちとくに興味深いのは、タイタンとエンケラドスです。

タイタンは土星最大の衛星です。太陽系全体では木星の衛星ガニメデに次ぐ2番目の大きさで、どちらも惑星である水星よりも大きな天体です。メタンの雨が降り、表面に液体のメタンやエタンの川や湖が存在しています。また、窒素を主成分とする厚い大気を持っています。

タイタン

可視光線+赤外線で撮影したタイタン。大気越しにうっすらと地形が見える。

タイタン

近赤外線で撮影したタイタン。大気を通して「Senkyo(仙境)」という地形がとらえられている。

エンケラドスでは、地下から水蒸気が間欠泉のように噴き出している現象がとらえられており、地下に液体の水が存在すると考えられています。

エンケラドス

エンケラドス。北半球にはクレーターが多く存在し、南半球には筋模様が見られる。

エンケラドス

エンケラドスの南極域から噴出する水蒸気。

ほかにも、巨大なクレーターを持つミマス、表面の色がきれいに二分されているイアペタス、環を安定させる役割を果たす羊飼い衛星のプロメテウス、パンドラなど、面白い衛星が多数あります。

ミマス

ミマス。巨大クレーターの「ハーシェル」が見える。

イアペタス

イアペタス。片面が暗く、もう一方は明るい。赤道部分に尾根があるのも特徴。また、ミマス同様に大きいクレーターも存在する。

エンケラドス、環、タイタン

手前からエンケラドス、環、タイタン。

多数の衛星

多数の衛星。(左)ヤヌス、(中央)パンドラ、(中央上)エンケラドス、(右)ミマス、(右端)レア。

探査機カッシーニ

土星探査機「カッシーニ」は2004年から2017年までの13年間、土星の大気や模様、環の構造、衛星の特徴などを詳しく調べました。前述したタイタンやエンケラドスに関する発見など科学的な成果だけでなく、数々の美しい画像も私たちに届けてくれました。多数の衛星が環や本体の細かい模様と共に写し出されるのは、土星の近くを飛び回る探査機の視点ならではです。

カッシーニの探査のハイライト(クレジット:NASA / Jet Propulsion Laboratory-Caltech)。