「あかつき」、酸化剤を投棄し11月に軌道制御を実施

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【2011年10月28日 JAXA

金星探査機「あかつき」運用チームは、11月に通過する近日点の周辺で姿勢制御用スラスタを使った軌道制御を行う予定だ。リスクの評価を終え、今後は使うことのない酸化剤を投棄することに成功した。最初の軌道制御は11月1日に行う予定となっている。


あかつきと金星のイメージ

あかつきと金星のイメージ(提供:JAXA発表資料より。以下同)

金星周回軌道のイメージ図

あかつきの金星周回軌道のイメージ図。当初の予定より周期が大きくなる見込み

探査機「あかつき」の軌道制御エンジン(OME)の状態を把握するため9月7日と14日に行われたテスト噴射の結果、今後OMEの使用は断念することとなった。

OMEでは酸化剤と燃焼剤を混合燃焼させて推力を得るが、代わりに使われる姿勢制御用エンジン(RCS)は燃焼剤しか使わないため、酸化剤は不要となる。重量を軽くするために、10月6日、12日、13日の3回に分けて酸化剤の投棄を実施し、無事終了した。

RCSで軌道制御を行うにあたっては連続噴射による温度上昇などに不安があったが、個別に検討した結果、これらはすべて許容範囲内に収まることがわかった。

今後近日点を通過するのに合わせ、11月1日、10日、21日の3回にわけて軌道制御を行うことで、2015年以降の軌道投入を目指すこととなっている。

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