宇宙初期の銀河は合体するよりも周りのガスを食べて成長?

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【2011年7月6日 NASA

赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」の観測結果から、宇宙初期の銀河は短時間で完結する衝突・合体ではなく、長い時間をかけた外からのガスの流入によって成長していることがわかった。


昔の銀河と今の銀河のイメージ

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したNGC1309という銀河を元にして作成したイメージ。左の絵は現在見られるような、それほど星形成が活発でない銀河の様子。右は昔の星形成が活発な銀河の様子を示す。星形成が活発なほうがより青くみえることがわかる。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/STScI)

これまで銀河は、小さな銀河同士が衝突・合体することによって大きくなっていくと考えられてきた。しかし、NASAの研究チームによる最新の研究成果によれば、少なくとも宇宙の初期にできた銀河はこのようなすぐに終わってしまう「共食い」ではなく、銀河の周囲にあるガスをゆっくりと「草を食む」ように取り込み、成長しているらしいことがわかった。

この研究では、誕生から10〜20億年後の宇宙に存在する70個の銀河について「スピッツァー」で赤外線観測を行った。すると驚くべきことに70%もの銀河にHα線がはっきりと確認された。Hα線とは星が活発に活動し輝くときに出てくる光であり、天の川銀河の近傍(つまり比較的最近)の銀河でこのHα線がはっきりと見えるのはわずか0.1%しかない。

この割合の多さは、多くの銀河が数億年以上も活発な星形成を継続していることを意味している。銀河同士の衝突によって星の材料であるガスを供給するとすれば、これほど長い間星形成を継続することは困難だと考えられる。

また、この観測によると、数億年にわたるガスの流入によって太陽の100倍に及ぶ大質量の星が誕生しており、天の川銀河と比較して約100倍もの勢いで星形成が行われていることもわかった。

天の川銀河はアンドロメダ座大銀河と約50億年後に合体すると考えられているように、銀河同士の合体はよく見られることではあるが、今回の研究結果は、遠方の大銀河の成長は合体や衝突が主な原因ではなく、ガスが定常的に供給されたことによるものだと示している。