情報トピックス(2006年7月)

国内のさまざまなメディアで取り上げられた天文ニュースや天文分野の最新書籍などを紹介しています。記事の詳細については各リンク先を参照してください。なお、投稿画像は天体画像ギャラリーに掲載しております。天文関連書 新刊情報は、BOOK REVIEW をご覧ください。

2006/07/26

日本の太陽観測衛星「SOLAR-B」9月打ち上げへ

日本の太陽観測衛星「SOLAR-B」の打ち上げ日が宇宙開発委員会で了承され、9月23日(土)と発表された。(予備期間は、9月24日(日)〜9月30日(土))「SOLAR-B」は、「ひのとり(1981年打ち上げ)」、「ようこう(1991年打ち上げ)」に続く、日本が打ち上げる3機目の太陽観測衛星。高い解像度と感度で太陽コロナと磁場の謎に迫る観測を最低3年間行うことになっている。

2006/07/24

「アトランティス」4年ぶりの打ち上げは8月末に

4年ぶりとなるスペースシャトル「アトランティス」の打ち上げ予定が発表された。打ち上げは来月8月27日(または28日)。コロンビア号の事故から3度目の打ち上げとなる今回は、ベテラン船長とパイロット1名、4人の船外活動スペシャリストが乗り込む予定となっている。

2006/07/19

再観測された19世紀のバーナード彗星が177P/BARNARDへ

今年の6月下旬にバーナード彗星(C/1889 M1)と同定された、LINEARが発見した17等の天体が、177P/BARNARDとして番号登録された。この天体は、1889年の観測から公転周期およそ145年と計算されていたが、実際には約120年で、誰も予測しなかったまさかの出現となった。

  • CBET 558
  • IAUC 8730

今年のエドガー・ウィルソン賞の受賞者発表

1998年に制定され、新彗星を発見したアマチュアに贈られるエドガー・ウィルソン賞の今年の受賞者が発表された。残念ながら日本人の名前は含まれていないが、受賞者はC/2005 N1の発見者であるアメリカのCharles Wilson Juels氏とブラジルのPaulo Renato Centeno Holvorcem氏の両氏と、P/2005 T5を発見したオーストラリアのJohn Broughton氏の3名となった。

  • IAUC 8730

2006/07/18

スペースシャトル、無事帰還

スペースシャトル「ディスカバリー」(STS-121)が日本時間17日午後10時14分(米東部時間同日午前9時14分)無事任務を終え、フロリダ州ケネディー宇宙センターへ帰還した。スティーブ・リンゼイ船長は、帰還後「これで計4回スペースシャトルへ搭乗したが、今までで最も障害が少ない機体だった。これで、宇宙ステーションの建設に向けて準備が整った。」とコメントした。

ハッブル宇宙望遠鏡、トラブル後の初画像が公開に

ハッブル宇宙望遠鏡は、約1ヶ月前の6月19日電源系統のトラブルに見舞われたが、約2週間の故障から復活し、その後の初画像(7月4日撮影)が公開になっている。画像は、約90億光年離れた銀河団のもの。ハッブル宇宙望遠鏡の目は、定期的に20個もの銀河団に向けられている。これは、遠方の銀河団で発生するIa型の超新星爆発を観測するためのもので、この観測によりダークエネルギーの研究に役立つ情報が得られている。

2006/07/10

スペースシャトル、地球帰還に問題なし

NASAでは、打ち上げ時にはがれ落ちたディスカバリー号の断熱材について、帰還に問題のないことを発表した。これを受けてリンゼイ船長は、他の乗組員たちへの感謝の言葉と共に「すばらしいニュースだ。」と喜びを語った。今後乗組員は着陸に向けて、軌道上のスペースデブリ(宇宙ごみ)による機体の損傷がないかどうかを調べることになっている。

受賞はブラックホールのおかげ「3万kmの瞳」が再受賞!

電波天文衛星「はるか」と地上電波望遠鏡による壮大な宇宙電波干渉計プロジェクト「VSOP」が実現されていく過程と、その科学成果をまとめた宇宙科学研究本部のビデオ作品「3万kmの瞳」がTEPIAハイテク・ビデオ・コンクールで最優秀作品賞に選ばれた。これで「3万kmの瞳」の受賞は、今年3月の第47回科学技術映像祭での文部科学大臣賞受賞に続き2回目となった。

2006/07/07

戦争と星と戦場の女学生を描いたプラネタリウム番組

山梨県立科学館で2006年4月8日から公開されているプラネタリウム番組「戦場に輝くベガ - 約束の星を見上げて」が話題となっている。これは、第二次世界大戦中の航空機が利用していた「天文航法」について、そのデータである「航空天測表」の制作が実は学徒動員の女学生によるものだったという事実を元にしたストーリーとなっている。山梨県立科学館が独自に取材・研究を行い、オリジナル制作された番組だ。「ほんの60年前、夜空の星が武器になった時代」というサブタイトルの付いたこの番組は、2009年9月3日まで同館で公開されている。

スペースシャトル、宇宙ステーションとのドッキングに成功

日本時間の7月5日に打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー号」が、6日の午後11時52分に国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。これで、国際宇宙ステーションの体制は、2003年5月4日に帰還した長期滞在クルー以来の3名となった。現在は「レオナルド」(多目的補給モジュール1)と宇宙ステーション間で、順調に物資の移送が進められている。なお、懸念された機体の損傷については、深刻なものは見つかっていない。

2006/07/03

土星に新たな衛星 9個を発見

新たな土星の衛星が9個発見された。国際天文連合によれば、発見の報告をしたのは、S. S. Sheppard氏、D. C. Jewitt氏 J.Kleyna氏の3氏。新衛星は、2004年12月、2005年3月、2006年1月から4月にかけてすばる望遠鏡が行った観測データで発見された。9個の衛星の半径は、10km未満で、862日から1300日くらいの周期で土星の周りをまわっている。

  • IAUC 8727

ハッブル宇宙望遠鏡が復活

今月19日、故障が発生し、10日ほど停止していたハッブル宇宙望遠鏡について、NASAはその復旧を発表した。故障していたのは、ハッブル宇宙望遠鏡に搭載されているACSカメラの電気系統で、NASAのエンジニアたちの手により、カメラは30日に再び作動を開始、次の観測に向けた機能のチェックも無事完了した。

ディスカバリー号の打ち上げ、再び延期

日本時間7月3日(米国東部夏時間7月2日)に予定されていたスペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-121)の打上げは、射点上空の天候不良のため再び延期された。次の打ち上げ予定日時はアメリカの独立記念日にあたる7月4日 東部夏時間午後2時38分(日本時間 7月5日午前3時38分)と発表された。なお、NASAでは、当日の気象条件による延期の可能性は40%としている。