西村栄男さん、はくちょう座に新星を発見

【2005年2月13日 VSOLJニュース(137) / 国立天文台 アストロ・トピックス(83)

(VSOLJニュース)

(著者:山岡均さん(九大理))

静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんは、昨年もいて座に新星を発見する(vsolj-news 123)など、活発に活躍されている天体捜索者のひとりです。 このたび西村さんは、はくちょう座に新星を発見されました。

西村さんは、2月10.85日(世界時、以下同様)に撮影した写真から、9.7等級の新しい星を見つけました。この星は翌日、同じ静岡県の和久田俊一(わくだしゅんいち)さん、埼玉県の門田健一(かどたけんいち)さんによって確認されました。12日朝(日本時)の明るさはCCDで9.0等級ほどになっています。

新星の位置は以下のとおりです(門田さん測定)。はくちょう座の十字形の交点に近いところにあります。

赤経  20時09分19.09秒
赤緯 +39度48分52.2秒  (2000年分点)
新星周辺の星図

発見前の画像では、この位置に一番近いのは、3"ほど離れたところにある18等級程度の星です。この星が増光したとすると9等級(4000倍)、そうではなく発見前には見えなかった星の増光であればもっと明るくなったことになります。

11.8日には兵庫県立西はりま天文台の内藤博之(ないとうひろゆき)さんと時政典孝(ときまさのりたか)さんが、同所の60cm望遠鏡でスペクトルを撮影し、この天体が古典的な新星であることが判明しています。今後の光度変化が楽しみです。

(国立天文台 アストロ・トピックス)

静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんが、はくちょう座に新星を発見されました。

西村さんは、2月10.85日(世界時、以下同様)に撮影した写真から、9.7等級の新しい星を見つけました。この発見は、同じ静岡県の和久田俊一(わくだしゅんいち)さん、埼玉県の門田健一(かどたけんいち)さんらによって確認され、洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて、国際天文学連合へ報告され、2005年はくちょう座新星(Nova Cyg 2005)と命名されました。12日朝(日本時)の明るさは9.0等級ほどになっています。

門田さんが測定した新星の位置は下記のとおりです(VSOLJニュースと同じなので省略)。

発見前の画像を見ると、この位置から3秒角ほど離れたところに、18等級程度の星があります。もし、この星が増光したとすると9等級(4000倍)の、そうではなく発見前には見えなかった星の爆発であれば、さらなる増光幅になります。

11.8日には兵庫県立西はりま天文台の内藤博之(ないとうひろゆき)さんと時政典孝(ときまさのりたか)さんが、同所の60cm望遠鏡でスペクトルを撮影し、この天体が古典的な新星であることが判明しています。今後も明るくなる可能性もあり、楽しみです。

西村さんは新天体発見のベテランで、昨年3月にもいて座に「2004年いて座新星(V5114 Sgr = Nova Sgr 2004)」(国立天文台・天文ニュース 705)、2003年9月にはたて座に新星状天体(国立天文台・天文ニュース 668)を発見しています。また、1994年7月の中村・西村・マックホルツ彗星(C/1994 N1)の発見者でもあります。

<参照>

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