「あかつき」、金星周回に向け4回目の軌道修正
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、今年12月7日に金星周回軌道への再投入を目指す探査機「あかつき」について、4回目となる軌道修正を今月17日から3回に分けて実施することを発表した。
【2015年7月10日 JAXA】
2010年5月に打ち上げられた「あかつき」は、同年12月に金星周回軌道に入るために軌道制御エンジン噴射を実施したが、エンジントラブルのため軌道投入に失敗した。その後、失敗の原因と対策を調査し、金星周回軌道への再投入計画を検討した結果、今年12月7日に軌道再投入を実施することを決定した。
現在「あかつき」は太陽の周りを回っているが、現在のままで金星へ接近すると、太陽の重力の影響で金星へ落下するリスクがある。これを回避し、周回軌道再投入後の観測を有利にするため、4回目の軌道修正を行う。
2011年11月以来となる今回の軌道修正は、12月の軌道再投入時の性能試験を兼ねて探査機上部の姿勢制御用エンジン4本が使用され、計3回(今月17、24、31日)に分けて実施される。
「あかつき」と金星、地球の軌道図。今月の軌道修正時にはそれぞれ、四角マークの位置にある(発表資料より、以下同)
今回の軌道修正前後の軌道変化