板垣さんがみずがめ座に新しい矮新星を発見

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【2013年10月21日 VSOLJニュース(304)

山形の板垣公一さんが9月28日、みずがめ座に矮新星を発見した。


VSOLJニュースより(304)

今年はずいぶんと厳しい残暑が続いた年でしたが、さすがに最近は急に涼しくなって、残暑に関わらずやってくる秋の空にふさわしい天気が続くようになりました。秋の空に輝く星々といえば、ペガススの四辺形やカシオペヤのW字形といった印象深い並びをもつ星々や、くじら座のミラ、ペルセウス座のアルゴルをはじめとした有名な星たちが思い浮かびます。

そんななか、みずがめ座は黄道十二星座として名前は有名ながら、夏の星座と秋の星座の中間にあること、また大きいにも関わらずあまり明るい星がないことなどもあって、実際に目にする星座としてはいまいち馴染みが薄いかもしれません。

そんなみずがめ座にこのたび、日本人の新天体捜索家が新しい矮新星を発見しました。発見したのは、多くの新星や超新星、矮新星の発見で知られる山形県の板垣公一さんです。新天体の捜索中、2013年9月28.6383日(世界時)にみずがめ座の中に13.6等(CCDノーフィルター)の新天体を発見しました。

この報告を受けて、千葉県の清田誠一郎さん、オーストラリアのCamilleriさんらが確認観測を行い、この発見が間違いないことが確かめられました。また、近傍小惑星の探索のサーベイをメインとしているカタリナ・スカイ・サーベイも、9月29日に同位置に13.5等のひじょうに明るい天体を検出し、この新しく発見された矮新星と同一天体であることが確認されました。

正確な位置は以下のとおりです。

  赤経  23時38分22.54秒
  赤緯 -20度49分51.8 秒(2000.0年分点)
  みずがめ座の矮新星の周辺星図

この新天体は爆発前の撮影画像の21.6等星と一致することが確認され、その増光範囲から、増光のまれな「や座WZ型矮新星」の一つではないかと考えられました。や座WZ型矮新星の場合、早期スーパーハンプと呼ばれる周期1〜2時間の変動が増光直後に観測されるのが一般的です。南アフリカのMonard氏による連続測光観測で、発見報告翌日の9月29日に振幅0.08等、周期83分の早期スーパーハンプがとらえられ、この天体がや座WZ型矮新星であることが確認されました。

その後も約10日にわたって早期スーパーハンプが観測されたのち、この天体は通常のスーパーハンプ(早期スーパーハンプに比べると数%長い周期を持つ変動)を示すようになりました。光度もじわじわと減光し、現在では15等なかばになっています。

や座WZ型矮新星は早期スーパーハンプのほかにも一度暗くなってからの再増光などさまざまな興味深い現象を示すことが知られており、今後の動向が注目されます。


みずがめ座の矮新星の位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。「ツール」メニュー→「データ更新」で新天体データを取得し、「みずがめ座の矮新星2013(2013)」を検索・表示してください。

また、新しいデータや番組をオンラインで入手できる「コンテンツ・ライブラリ」(「コンテンツ」メニューより)では、新星をわかりやすく×印で表示するための「新星(マークで表示)」ファイルも公開しています。あわせてお楽しみください。

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