月面で肉眼等級の衝突発光を観測

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【2013年5月20日 NASAUniverse Today

NASAが実施している月面監視プログラムで、肉眼でも見える明るさの閃光が3月17日に観測された。流星体の衝突によるものとみられ、探査機によるクレーターの確認も予定されている。


3月17日の閃光現象

3月17日の閃光現象。クリックで動画ページへ(提供:Science@NASA)

閃光がとらえられた箇所

これまで閃光がとらえられた箇所。赤が3月17日のもの。クリックで拡大(提供:Science@NASA)

NASAが実施している月面監視プログラムで3月17日、肉眼でも見えるほどの明るい閃光が口径14インチの天体望遠鏡でとらえられた。

公開された動画では、同日の3時50分55秒(世界時)、4等級まで明るくなって輝く閃光が1秒間にわたって「雨の海」に出現している。同時刻は日本では昼間だが、全世界でもアマチュアがとらえた報告はいまだ寄せられていないという。

この閃光を生んだとみられる天体衝突では、幅0.3〜0.4m、質量40kgの流星体が時速9万kmで衝突し、幅20mのクレーターが作られたと推算されている。NASAの月探査機「ルナー・リコナサンス・オービター」(LRO)がこのクレーターの観測を予定しており、閃光現象とクレーターの比較により「どれくらいの衝突規模でどの大きさのクレーターが作られるか」といったモデルの精度をより高めるのに役立てられる。

同夜には地球でもある異変が起こっていた。米西オンタリオ大学の全天カメラでいつもより多くの流星がとらえられており、それらが同一の軌道をたどってやってきたことがわかったのだ。NASA流星状況局のBill Cookeさんは、小天体群が地球と月を同時に襲った可能性を指摘している。

NASAでは2005年からこうした月面の閃光を監視しており、これまでに300以上もの現象をとらえている。その半分以上がペルセウス座流星群やしし群流星群のもので、その他は散在流星や由来不明の小天体デブリだという。

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