いて座に新星が出現、西山さんと椛島さんが2週連続で発見

【2008年4月20日 VSOLJニュース(195)】

福岡県久留米市の西山浩一さんと椛島冨士夫さんが、いて座に新星を発見された。西山さんと椛島さんは10日にもはくちょう座に新星を発見されたばかりで、2週連続での発見となった。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

夏の天の川がひときわ広く濃く見えるいて座は、私たちの銀河系の中心の方向で、数多くの星があります。星間吸収の影響を考えても、数多くの新星が出現する方向です。そのいて座に、新星が発見されました。発見したのは、福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんのお二人のグループです。彼らは、先週も銀河系内の新星を発見しており(VSOLJニュース 193)、たてつづけの発見になります。

新星らしき天体は、4月18.784日(世界時、以下同様)に撮影されたCCD画像上で8.4等の明るさで発見されました。40cm望遠鏡を用いて当日撮影した画像で測定された位置は、以下のとおりです。

  赤経  18時05分58.88秒
  赤緯 -27度13分56.0 秒 (2000年分点)
  新星周辺の星図

14.805日には12.8等より明るい天体は見えなかったとのことです。また、愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんは、15.743日撮影の画像には11.5等より明るい星は見えないと報告しています。増光から3日以内の、新鮮な天体ということになります。

増光前にこの位置をくわしく撮影した画像を見ても、20等より明るい天体は見られません。2万倍以上明るくなったことになり、古典新星の特徴に合致します。さらに、岡山県倉敷市の藤井貢さんが20日未明に撮影したスペクトルでは、水素の線が爆発天体特有の形を示しており、古典新星であることがはっきりわかります(vsolj 8912)。今後の明るさの推移が楽しみです。


いて座新星の位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

<参照>

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