巨大ブラックホールが生み出した宇宙最大の噴出

【2005年1月14日 CHANDRA Press Room

NASAのチャンドラX線観測衛星によって、巨大ブラックホールが生み出した宇宙でもっともパワフルな噴出が捉えられた。

(MS 0735.6+7421銀河団のガスから放射されるX線の画像)

MS 0735.6+7421銀河団のガスから放射されるX線(提供:NASA/CXC/Ohio U./B.McNamara)

NASAのチャンドラX線観測衛星が捉えたのは、MS 0735.6+7421という銀河団に広がる高温ガスからのX線だ。この銀河団はきりん座にあり、26億光年離れている。画像の上下にある空洞はそれぞれが直径60万光年もあるが、この空洞は銀河団の中心にある銀河の巨大ブラックホールからの噴出によってできたものである。

巨大ブラックホールは太陽の3億個分に相当する質量を飲み込んで成長し続けている。ブラックホールからの噴出は1億年以上も続いており、ガンマ線バーストの数億倍ものエネルギーが放出されていると考えられている。