高尾明さんが明るい新星らしき天体を発見

【2004年8月5日 VSOLJニュース(128)/ 国立天文台 アストロ・トピックス(40)

(VSOLJニュース)

(著者:山岡均さん(九大理))

北九州市の高尾明さんは、昨年、今年と新星を発見されている天体捜索者ですが、このほど7.4等級と明るい新星らしき天体をさそり座に発見されました。この天体は増光中のようで、もしかすると肉眼でも見えるほどの明るさになるかもしれません。

新天体は、8月3.583日(世界時、以下同様)に撮影されたCCD画像上で発見されました。位置は以下のように報告されています。

赤経  17時29分18秒
赤緯 -31度46.0分   (2000.0年分点、精度0.1分角程度)
新星周辺の星図(63KB)

この天体は、チリのラス・カンパナス天文台に置かれた自動全天サーベイASAS-3でも、発見の前日の2.071日にV=9.9等でとらえられています。このことから、天体が増光中で、もしかしたら肉眼等級まで明るくなるかもしれないと期待されます。

この位置周辺には、目立った赤外線源もX線源もなく、新星の可能性が高いものと思われます。位置の精度がまだ荒いため、爆発前の星は確定していませんが、16等級よりも暗いことは確実でしょう。今後の分光観測や光度測定、精密な位置測定が待たれます。

発見画像は以下のURIで見られます(高尾さん提供)。双眼鏡でも見られるでしょうから、夏休みの新天体観察の対象としてはいかがでしょう。
http://www.rc.kyushu-u.ac.jp/~yamaoka/takao/nsco040805.jpg

(アストロアーツによる補足)

この新星の位置は、双眼鏡でも見えるさそり座の散開星団M6に近く、7倍程度の双眼鏡(実視界7度)でM6と新星を同じ視野内にとらえることができます。詳しい位置は新星周辺の星図をご参照ください。