高見沢さん、超新星を発見

【1999年12月9日 国立天文台天文ニュース(312)】

長野県の高見沢今朝雄(たかみざわけさお)さんが、超新星を発見しました。

高見沢さんは、12月4日(日本時間)早朝4時過ぎに撮影した写真から、「うみへび座」の銀河NGC 2986のすぐそばに、14.6等の超新星が出現しているのに気付きました。 発見は中野主一(なかのしゅいち)氏によって国際天文学連合に報告され、その結果、この超新星にはSN 1999 gh の符号がつけられました。 これは今年になって発見された190番目の超新星にあたります。 ただし、その中の2個、SN 1999 db、SN 1999 diは、後に超新星でないことがわかり、取り消しになっていますから、実質上は188個目の超新星です。 日本人としては、1ヶ月前に富山県の青木昌勝(あおきまさかつ)さんが超新星SN 1999 euを発見して以来です。

今回発見された超新星の精密位置は、

赤経       9h 44m 19.75s
赤緯     -21゚ 16' 25.0"        (2000.0)

で、母銀河NGC 2986の中心から東に52"、北に15.8"離れたところです。

SN 1999gh
超新星1999ghの発見位置

カリフォルニア大学のフィリペンコ(Filippenko,A.V.)らがケックII望遠鏡で12月5日に撮影したCCDスペクトルにより、このSN 1999 ghはタイプIaの超新星であることがわかっています。

高見沢さんはこれまでにも超新星としてSN 1996 Xを発見していますし、新星Nova Aql 1995、Nova Oph 1998の発見者でもあります。 さらに高見沢彗星(98P/Takamizawa)、西川-高見沢-多胡彗星(C/1987 B1)、マクホルツ彗星(C/1988 P1)、高見沢-レビー彗星(C/1994 G1)、高見沢彗星(C/1994 J2)など5個の彗星を独立発見しています。 実績のあるベテランの観測者です。

参照 IAUC 7328(Dec.5,1999).