「ケプラー」発見の系外惑星候補に219個追加、総数は4000個以上に

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系外惑星探査衛星「ケプラー」のチームが、新たな系外惑星候補を219個追加した。そのうち10個は地球サイズで、ハビタブルゾーンに存在している。

【2017年6月22日 NASA

NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」が2009年に開始した最初の4年間の観測で取得したデータの分析から、新たな系外惑星の候補として219個の天体が追加された。これまでにケプラーによって確認された系外惑星候補の数は4034個となり、うち2335個が系外惑星と確認されている。また、ハビタブルゾーンに存在する地球サイズの惑星候補の数は今回新たに10個を加えて約50個(系外惑星と確認済みは30個以上)となった。

系外惑星系の想像図
系外惑星系の想像図(提供:NASA/JPL-Caltech)

ケプラーによる惑星探しは、惑星が主星の前を通り過ぎる「トランジット」の際に主星の明るさがわずかに減少する現象をとらえるという手法で行われている。研究チームは、これまでに多くの系外惑星が見逃されていないことを確認するため、シミュレーションで再現したトランジット現象を利用し、一体何個が系外惑星として正しく確認されたのかを調べた。さらに、惑星があるように見えるのだが実際には間違ったものであったデータを加えて惑星候補と間違えられた頻度も調べ、これまでのデータ解析手法を検証した。

ケプラーのデータから作成されたカタログは、天の川銀河における惑星の分布や年齢や大きさといった、系外惑星のいわば人口統計を決定するための研究の基盤として利用される。「大きさや軌道が地球に似た系外惑星を含んでいる点で、ケプラーによる一連の観測データはユニークです。天の川銀河における系外惑星の存在頻度を理解することは、第2の地球の直接撮像を目的とした将来の研究計画に役立ちます」(ケプラー・プログラム・サイエンティスト Mario Perezさん)。

このケプラーのデータと米・ハワイのケック望遠鏡を使った観測から、米・ハワイ大学 Benjamin Fultonさんたちが小型の系外惑星2000個の大きさを調べたところ、2つのグループに分かれることが明らかになった。一つは地球サイズの岩石惑星、もう一つは海王星(地球の約4倍)より小さい程度のガス惑星で、その中間にあたる惑星はほとんど見当たらなかった。

宇宙では地球の2倍弱ほどの大きさの岩石惑星が作られやすく、その後で原因は不明ながら約半数が水素やヘリウムをまとって大きさを増加させ、海王星サイズまで成長すると考えられるという。