2007年 夏の星空三昧

月の名所をめぐってみよう

月について

大きさはほぼ地球の4分の1で、平均距離38万キロメートルの軌道を回っているので、見かけの大きさはちょうど太陽と同じくらいになります。月面には大気がなく、クレーターや山脈、谷のほかに、海と呼ばれるややなめらかで黒っぽく見える部分があります。また、満月近くになると、ティコクレーターのように光条(レイ)が放射状に長く伸びるクレーターも観察できます。

月は約1か月かかって地球のまわりを公転していて、その間に満ち欠けします。これは月が太陽の光を受けて輝いているからです。公転周期と自転周期が等しいため、月はいつも同じ面を地球側に見せていますが、上下左右にわずかにゆれ動いているので、実際は半分より多い59%の範囲を見ることができます。

月齢

月齢

新月から数えた日数のことを「月齢」といいます。月と太陽が同じ方向にあるときを新月(あるいは朔)と呼び、このときの月齢を0とします。

月は太陽から東側に向かって離れていき、翌日には西の空の低空に細い弧を描いて見えます(実際には日没直後で見にくい)。これが月齢1(二日月)の月です。月は、さらに東へ移動しながら毎日少しずつ太くなっていきます。そして新月から約1週間後、太陽から90度東に離れたところで半月(上弦の月)となります。このときの月齢は約7。月はその後も太陽から離れ、太陽から180度、つまり太陽の正反対側に来たときに満月となります。このときの月齢は約15(十五夜)。さらに東に回って270度のとき(西回りの角度を測れば90度)の半月(下弦の月)は月齢が約22、そして約29.5日たつと新月になり、ふたたび月齢0に戻るのです。

それでは、宵の空で観察できる月をご案内しましょう。pdf形式の月面マップ(倒立像)も用意しましたので、望遠鏡でいろいろな地形を探してみてください。

月齢4〜5

月齢4〜5

三日月と思われている月は、実はこのころの月で、日没時には南西の空高くに見えるようになってきます。

pdfファイル[月齢4〜5](1.6MB)

上弦(月齢7)

上弦

月−地球−太陽の角度が90度になるころの月です。

上弦の月は昼ごろに昇って夜半に沈むので、見やすい月と言えるでしょう。

pdfファイル[上弦](2.2MB)

満月

満月

「望(ぼう)」とも言います。地球をはさんで月と太陽が反対方向に位置し、地球側の月面に正面から太陽光が当たる状態です。

満月の月は真上から太陽光線があたり、クレーターなどの影が少なくのっぺりとした印象になってしまうので、月の地形を楽しむという観点からすると実はあまり向いていないということになります。

しかし、今まで目立たなかった小さなクレーターでも、まわりに光条が輝きだすものがあったりして、欠け際で見た印象とはまったく違った光景を楽しむことができます。

pdfファイル[満月](2.0MB)

もっと知りたい方のために

はじめてのスターウオッチング 天体観察入門従来の天体観察入門書の多くが、天文現象の法則の理解や望遠鏡の原理に多くのページを割いていたのに対して、「はじめてのスターウオッチング 天体観察入門」ではそうした記述を必要最小限にとどめ、その代わりに毎月のおすすめ天体や種類別の観察ポイントの紹介と、入門者に最適な望遠鏡などの天体観察グッズの使い方の紹介という2点に重点を置いた使いやすい構成です。