系外惑星の温度分布と水の量を観測

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ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、系外惑星の温度分布や水の存在量が明らかになった。巨大ガス惑星の形成に関する手がかりとなる。

【2014年10月21日 ESA/Hubble

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測したのは、ろくぶんぎ座の方向にある系外惑星「WASP-43b」だ。木星と同じくらいの大きさで、質量は木星の2倍ほどあり、主星から極めて近い距離を19時間で公転している。

WASP-43bの公転のようす
WASP-43bの公転のようす。色は温度の違いを表している。0、90などの数字は惑星の経度で、0度(昼側)は高温 、180度(夜側)は低温であることがわかる(提供:NASA, ESA, and Z. Levay (STScI))

WASP-43bは主星に対して常に同じ面を向けている。そのため、昼側では摂氏1500度、夜側では500度と温度が大きく異なり、昼側から夜側に風が吹いている。「温度分布がどうなっているかを観測して地図を作ると、系外惑星において、高温な昼側から低温な夜側へとどのように熱が運ばれるかを予測し、複数ある循環モデルを検証するのに役立ちます」(米・シカゴ大学のKevin Stevensonさん)。

また、WASP-43bの大気中には水蒸気が検出された。その量は、太陽のような化学組成の天体に見られるものと同程度だという。「この系外惑星がどのように形成されたのかを知るうえで基本となる情報です。今後は他の系外惑星についても計測を行って、その化学組成を調べたり、大きさや種類の異なる惑星の形成について知識を得たいと思っています」(同大学のLaura Kreidbergさん)。

ステラナビゲータで系外惑星の位置を表示

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、系外惑星が発見された恒星を星図に表示することができます。

  • 「ステラナビゲータ10」をご利用の方は、まず「ツール」メニューからデータを更新し、「恒星」ダイアログで「系外惑星をもつ恒星」の「表示」「名称」をオンにします。「WASP-43」を検索してください。
  • 9以前のバージョンでは、「コンテンツ」メニュー→「コンテンツ・ライブラリ」から追加天体データ「系外惑星」をダウンロードして、「天体」メニュー→「追加天体」で表示をオンにしてください。