直径5億光年、天の川銀河が属する新たな超銀河団「ラニアケア」

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【2014年9月11日 Nature NewsNRAO

おとめ座超銀河団に属すると考えられてきた私たちの天の川銀河が、最新の研究で作成された近傍銀河の最新地図で、新たに存在が確認された途方もなく巨大な超銀河団の一部であることがわかった。


ラニアケア超銀河団

ラニアケア超銀河団と、重力作用の流れ(白線)。白い点は個々の銀河。背景の色は物質密度を表す(赤が高密度)。クリックで拡大(提供:SDvision interactive visualization software by DP at CEA/Saclay, France.)

ラニアケア超銀河団の静止画

ラニアケア超銀河団のCG図。クリックでYouTube動画へ(提供:Nature Video)

私たちの天の川銀河が、これまで存在を知られていなかった超銀河団の一部であることが新たにわかった。研究者達はこの超銀河団を、ハワイ語で「広大な天」を意味する「Laniakea(ラニアケア)」と呼んでいる。

米・ハワイ大学のR. Brent Tullyさんらは、アメリカ科学基金(NSF)のグリーンバンク望遠鏡(GBT)などの電波望遠鏡を用いた観測から、比較的近い距離にある8000個の銀河の運動速度ごとの分布地図を作成した。銀河の速度は見えない物質であるダークマターを含むすべての物質の分布を反映することから、近傍宇宙の重力分布を推測できる。そして、それぞれの超銀河団がどのくらいの大きさまで広がっているかを明らかにした。

ラニアケア超銀河団はそのうちの1つであり、天の川銀河は、そのはずれに位置する。同超銀河団の直径は5億光年、質量は太陽10京個分、存在する銀河の数は10万個である。