くじら座のミラが急増光中

【2006年3月1日 アストロアーツ】

国内の変光星観測者によって急速に光度を増しているミラのようすが観測されている。明るさの変化そのものは、ミラとしては決して珍しい現象ではないのだが、今回のような急速な光度変化はそう多くないため、変光星観測に親しむ絶好のチャンスとなりそうだ。


(ミラの光度曲線(ミラキャンペーン事務局およびVSOLJメーリングリストに寄せられたデータより作図))

ミラの光度曲線(ミラキャンペーン事務局およびVSOLJメーリングリストに寄せられたデータより作図。クリックで拡大(提供:ダイニックアストロパーク天究館)

ミラは、くじら座にある長周期変光星で、周期約332日でおよそ3等ほどから9等までを変光していく。その光度変化は増光していく時はわりと急速に明るくなっていき、減光はゆっくり暗くなっていくことが知られてる。その増光期の平均的な増光スピードは日に0.1等程度と思われるが、その途中ではかなり急速な増光が見られる時期がある。国内の変光星観測者から寄せられた報告によると2月20日頃から急速な増光が始まり、日に0.2等近くの非常に急激なスピードで光度を増しているようだ。

ミラとしては必ずしも特異な現象ではないが、通常の変光星観測でこれほどの急速な光度変化が楽しめることは少ないため、この機会に変光星観測に親しむには絶好のチャンスとしてはいかがだろうか。この急速増光は、ここ10日ほどが見ごろと推測されている。なお、ミラの変光星図は、日本変光星研究会のホームページで取得することができる。

ミラは、現在、日没後の西の空低くに見えているが、日に日にその地平高度は低くなっていく。3月末には薄明終了時には地平線下になってしまうため、その増光の様子を観測するには今がチャンスだ。

なお、滋賀県のダイニックアストロパーク天究館では、ミラの観測情報を募っている。(送付先は以下の通り)

ミラの観測情報送付先:

ミラキャンペーン事務局
〒522-0341滋賀県犬上郡多賀町多賀283-1
ダイニックアストロパーク天究館

※情報送付の際は、観測日時(日付、時、分)、等級、観測者名、観測地、機材名を記入のこと。また、観測にあたっては、ミラとその周囲にある星の明るさを比較して等級を算出のこと(観測頻度は毎日でも可)

注)このニュースは、日本変光星研究会ミラキャンペーン担当 高橋進さん(ダイニックアストロパーク天究館)からいただいた原稿を元に作成しました。

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