彗星探査機スターダストが初めて彗星の粒子を見事に採取

【2004年1月6日 JPL News Release

NASAの彗星探査機スターダストが、彗星のサンプル採取計画の一環として、ウィルド第2彗星の粒子と表面の詳細な画像を手に入れた。NASAによる彗星のサンプル採取は初めてのことだ。

(ウィルド第2彗星の画像)

スターダストが撮影したウィルド第2彗星。彗星の核からわずか500kmの位置から撮影された(提供:NASA)

1999年7月に打ち上げられたスターダストは、彗星の物質を採取して地球へ戻ってくる「サンプルリターン」という重要な計画を担った衛星だ。彗星に含まれていた分子と星間ダストは、カプセルに入った状態で2006年の1月15日に地球へ戻ってくる予定となっている。粒子を採取した一方で、今回捉えられた彗星の画像は研究者の想像をはるかに超えた最高レベルのものとなっている。その点でもスターダストは大活躍していると言えるだろう。

彗星の分子内にとじこめられた化学的、物理的な情報は、惑星を形成している物質の情報のみならず、惑星形成の記録そのものを提供してくれるもので、将来の詳しい分析結果が待ち遠しい。これにより、彗星の動きやそのメカニズムについて、さらには太陽系初期の歴史についての理解がより深まることになる。2年後、サンプルが無事に地球へと戻ってくることを祈りたい。