年末年始は工藤・藤川彗星を見るチャンス
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【2002年12月25日 アストロアーツ】

今月14、15日に熊本県の工藤さんと香川県の藤川さんが発見した工藤・藤川彗星(C/2002 X5)が、この年末年始に見ごろになる。年明け早々1月4日のりゅう座ι流星群とあわせて、天文ファンには休む暇のない年末年始になりそうだ。

(工藤・藤川彗星のCCD画像)

工藤・藤川彗星 C/2002 X5。2002年12月22日(世界時)撮影。階調を処理する前の頭部の画像もあわせて掲載(撮影:アストロアーツ 門田健一)

工藤・藤川彗星は現在ヘルクレス座からへび座を移動中で、日本からは夕方の西空と明け方の東空に見られる。このうち夕方の観測条件は、日没1時間後の地平高度が12月26日で10度しかなく、以後どんどん低くなっていくので観測するのはかなり難しい。一方、明け方は日出1時間前の地平高度が12月26日で30度、来年1月13日でも10度で、夕方にくらべればずっと観測しやすい。明け方の地平高度を示した図(18KB)を用意したので参考にしてほしい(観測地:東京、日出1時間前の東の空)。

明るさは、12月22日ごろの眼視観測では7等級程度で、現在も増光中だ。予想通りに明るくなれば、年が変わるころには5等級、1月10日ごろには4等級になりそうだ。

以下に最新の軌道要素、星図、位置推算表を掲載しておくので、観測に利用していただきたい。


<軌道要素、星図、位置推算表>

村岡健治氏によって計算された、改良された軌道要素は以下のとおり(ただし標準光度と光度係数は以前の数値を使用)。

工藤・藤川彗星の軌道要素(観測数:110、計算:村岡健治氏)
近日点通過(T)2003年1月29.0029日
近日点距離(q)0.190044 AU
離心率(e)1.0
近日点引数(ω)187.5659°
昇交点黄経(Ω)119.0689°
軌道傾斜角(i)94.1523°
標準光度(H)6.5等
光度係数(K)10.0

上記の軌道要素から求めた位置推算表と星図は以下のとおり(日本時間0時、位置は2000.0年分点)。

天球上での位置を示した星図(59KB)、26日から7日までの拡大星図(42KB)

工藤・藤川彗星の位置推算表
日時赤経赤緯等級
2002/12/2617h21m37.5s+36°08'32"6.5
2002/12/2817h37m05.7s+33°55'08"6.3
2002/12/3017h52m02.7s+31°31'49"6.1
2003/ 1/ 118h06m25.3s+28°59'35"5.9
2003/ 1/ 318h20m11.7s+26°19'30"5.6
2003/ 1/ 518h33m20.8s+23°32'41"5.4
2003/ 1/ 718h45m52.6s+20°40'10"5.1
2003/ 1/ 918h57m47.8s+17°42'48"4.8
2003/ 1/1119h09m07.9s+14°41'13"4.5
2003/ 1/1319h19m54.6s+11°35'39"4.2

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