NASA、2003年に次の火星探査機打ち上げ?

【2000年5月16日 SpaceDaily (2000/5/12)

NASAは次の火星探査機について検討中だが、多数の案のうち、

  1. 2003年に火星科学オビーター(軌道上周回探査機)を打ち上げる。
  2. 2003年に大型の火星探査ローバー(火星に着陸後、自走する探査機)を打ち上げる。

の2案を最終候補として選定した。

1.の火星オービターは、現在火星軌道を周回中のマーズ・グローバル・サーベイヤーと同程度の大きさのもので、失敗したマーズ・クライメート・オービターの後継。複数の科学観測機器を搭載し、火星大気の調査を行なうとともに、過去に水が存在した証拠を探る。

2.の火星探査ローバーは、1997年に火星着陸そしてローバーによる探査に成功したマーズ・パスファインダーと、同様の方法での着陸方式をとる。ただ、パスファインダーの着陸船本体が、ローバー放出後、ローバーの通信中継等を行なうサポート基地としての役割を持っていたのに対し、今度の着陸船本体は単にローバーを火星地表に送り届けることだけが任務。

ローバーの方は、中止となった2001年火星着陸機への搭載が予定され、フィールド・テストまで行なわれたアテナ・ローバーの設計に基づくもの。130kgと大型で、地球との直接交信能力を持ち、1日に最大で100mの移動が可能。様々な岩などに接近し、水に関連した物質を捜索する。ローバーの火星地表での稼動期間は最低30日。

7月初旬にはどちらかの案を採択するか、もしくは2003年には火星探査機を打ち上げないかの最終決定がなされる。