メシエ天体ガイドM31
(アンドロメダ座の銀河:アンドロメダ座大銀河)

M31M31 Map

  • M31(NGC 224) アンドロメダ座/銀河(Sb)
  • 赤経 00h42.7m 赤緯 +41°16′
  • 等級 4.4等 視直径 180′×63′ 距離 230万光年

解説

アンドロメダ座大銀河M31は、日本から見える銀河としては最大のもので、天文ファンのみならず広く一般に知られている有名な天体です。M31の広がりは満月を横に5つ並べたほどもあり、肉眼でもはっきり見える明るさです。秋の観望会では、誰もがまず最初に望遠鏡を向ける対象です。

望遠鏡が発明される以前から、オリオン座大星雲(M42)と並んで存在が知られていました。近代になるとM31が私たちの天の川銀河に所属する天体なのか、別の銀河なのかを巡る議論がありましたが、1923年にハッブルが系外説を裏付ける証拠を見つけました。

M31は私たちの天の川銀河を含む局部銀河群の中で最大の銀河で、いくつかの伴銀河を従えています。その中にはM32やM110もありますが、最近の研究によってM31がこれらを吸収しつつあるという説が有力となっています。また、数十億年後には天の川銀河と合体すると考えられています。

見つけ方

アンドロメダ座のα星、β星、γ星はほぼ等間隔に並んだ2等星ですが、真ん中のβ星からカシオペヤ座に向かって、アンドロメダ王女の腕がμ星、ν星と伸びています。この先にぼうっと広がる淡い光芒がM31で、肉眼ではっきり見えます。都会でも双眼鏡なら位置がわかります。β星(2.1等)からは26.9m西、5°39′北です。

双眼鏡

肉眼でも細長くのびた姿が見え、大きな銀河であることがわかりますが、7×50〜10×70の双眼鏡では視野を覆うように巨大な楕円の光芒が広がり、M32の丸い小さな星雲状の姿、M110のM31をミニチュアにしたような姿も同時に見え、とても見事な眺めとなります。さらに大口径の双眼鏡では、淡い光芒の中に腕を思わせる濃淡が見え感動的です。望遠鏡で見るより、大口径の双眼鏡で眺めるほうがはるかに美しい対象です。

10cm

中心部を拡大しても、ぼうっとした大きな楕円の光斑が見えるだけでおもしろくありません。40倍程度の低倍率で中心の強い明るい光斑のまわりを観察すると、光芒の片側が急に暗く落ち込んでいることがわかります。これが写真では腕の部分となります。

20cm

腕の部分の濃淡はより明瞭に見えますが、球状星団のように星が見えてくるわけではないので10cmとあまり印象は変わりません。これより大きい口径でも同様です。観察する時にはできるだけ低倍率にして広い視野で楽しんでください。