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【特集】マックノート彗星(C/2006 P1)の太陽接近

2006年8月に発見されたマックノート彗星(C/2006 P1)は、2007年1月13日に近日点(軌道上の太陽にもっとも近い位置)を通過しました。彗星は急増光し、日本でも観測できました。日没直後の低空だけでなく、白昼でも観測や撮影に成功した方が多かったようです。その明るさは金星をもしのぎ、1965年の池谷・関彗星以来実に40年ぶりの大彗星となりました。また、太陽観測衛星SOHOのカメラ、「LASCO C3コロナグラフ」の視野を通過したので、12日から16日ごろにかけてインターネットのリアルタイム画像で確認することもできました。

1月19日 更新

マックノート彗星

太陽最接近のころ、太陽観測衛星STEREO-Bが撮影した姿(提供:NRL/UB/RAL/CSL)


発見者・マックノート氏に聞く

彗星を発見されたオーストラリアのマックノート氏に、見つけたときの感想などについてコメントしていただきました。

ニュース「【インタビュー】大彗星の発見者、マックノート氏」 へ

マックノート彗星の見え方

マックノート彗星の位置

マックノート彗星の位置:クリックで拡大

マックノート彗星は近日点付近でマイナス5からマイナス6等級の明るさにまで到達し、1月13日以降、南半球で見えるようになっています。尾がとても大きく広がっているので、頭部が見えなくなった北半球でも、19日から20日ごろに尾の撮影成功が相次ぎました。以下は、1月10日時点での記述です。

近日点通過直前(10日から13日にかけて)のマックノート彗星は太陽にひじょうに近く、日没直後の西の低空でかろうじて見える程度です。高度は日没直後で5度前後です。

肉眼で見える可能性もありますが、彗星の姿を確実にとらえるためには双眼鏡があったほうがよいでしょう。明るさはマイナス1等級から2等級ほどですが、太陽に近いため突然の増光、さらには分裂・消滅などもありえます。

近日点を通過した後は、彗星は急速に南下してしまうため日本からは見えません。核が無事であれば、南半球で大きな彗星として見える可能性があります。


インターネットで彗星を見よう

本来近日点付近の彗星を見るのは困難ですが、太陽観測衛星SOHOLASCO C3コロナグラフというカメラが常に太陽の方向を観測していて、太陽の近くを通過する彗星もその視野内に見えます。マックノート彗星は12日から16日ごろにかけてLASCO C3コロナグラフの視野内を通過しました。

LASCO C3コロナグラフの最新画像はインターネットでリアルタイムに公開されています。太陽観測衛星SOHOのウェブサイト内の「The very latest SOHO imagesSOHOの最新画像)」から、右下の「LASCO C3」を選択することで見ることができます。

すでにマックノート彗星はカメラの視野から出てしまいましたが、SOHOウェブサイトの特集ページではベストショットと視野を移動していくようすを早送りした動画が公開されています。

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