皆既日食で盛り上がるインドネシア、記念切手発売や各種イベントを開催
いよいよ来週3月9日に迫った皆既日食を記念し、インドネシア政府が特殊切手「皆既日食」を発売した。また、日食が見られる各都市では観望会などのイベントが予定されており、インターネット中継も行われる。
【2016年3月2日 片山哲司さん(インドネシア在住)】
インドネシア語では皆既日食をgerhana matahari total(グルハナ・マタハリ・トータル)といい、3語の頭文字をとってGMT(ゲー・エム・テー)とも略される。今年に入ってから地元メディアの関連報道が急増しており、「GMTブーム」に乗り遅れまいと皆既日食が見られる都市では国内外観光客の誘致に向けた準備が進められている。
大手週刊誌「テンポ」の最新号(3月6日号)誌面。12ページにおよぶ皆既日食特集を掲載。クリックで拡大(© Tempo Inti Media)
皆既日食の特殊切手発行
3月9日の皆既日食に合わせて発売される切手類は、切手3枚組(9000セット限定)が5000ルピア(約42円)、24枚組切手シート(300000セット限定)が3000ルピア、切手3枚を貼付したレターセット(初日カバー入り、3000セット限定)が3000ルピアの3種類。ヒンズー教の神バタラ・カラが太陽を呑み込みことによって日食が起こるとするジャワ地方の伝説がデザインされている。
皆既日食記念切手3枚組。クリックで拡大(© Pos Indonesia)
皆既日食記念切手24枚組シート。クリックで拡大(© Pos Indonesia)
皆既日食記念レターセット。クリックで拡大(© Pos Indonesia)
日食当日は公休日に当たるため、多くの郵便局が休みとなる予定なので、お土産などに入手したい方は注意しよう。
観望会、インターネット中継等
また、部分食となる首都ジャカルタでは午前6時(現地時間)から、州営プラネタリウム・ジャカルタで観望会が開催されるほか、気象気候地球物理庁(BMKG)が午前8時30分(日本時間)ごろから、特設サイトで皆既日食のライブ中継を行う(日本からの視聴可)。部分食が見られるバリ島は、ヒンズー暦の関係で10日朝まで外出禁止(外国人も)となるほか、公共輸送機関・施設(港湾・空港を含む)も運休・閉鎖となるため、屋外観測は難しい。
その他、日食当日の催事
- 南スマトラ州パレンバン
市内中心部のアンペラ橋を歩行者天国として開放(朝〜夕方) - バンカブリトゥン州ブリトゥン島
地元自治体による島東部での観望会
ジョコ大統領と地元有力者による島北部での船上観望会 - 中カリマンタン州パランカラヤ
地元自治体による観望会 - 東カリマンタン州バリクパパン
地元自治体によるムルデカ広場(市内)とマンガル海岸(市東部)での観望会 - 中スラウェシ州パル
地元自治体による観望会、皆既日食記念碑除幕式 - 北マルク州テルナテ
日本人観測ツアー参加者の受け入れ施設「カンプン・ジュパン(Kampung Jepang:日本村)」開設
地元自治体による観望会(※タイのシリントン王女一行も参加予定)
テルナテ王家の王冠の一般公開(※普段は非公開となっている国宝級の王冠)
皆既日食祝賀会(夜)(※外国からの観測ツアー参加者も出席可能) - 北マルク州マバ
インドネシア国立航空宇宙研究所(LAPAN)とNASAによる合同観測
※いずれも、都合により変更・中止の可能性あり。
日本からは部分日食
当日は日本でも朝10時ごろから昼12時ごろまで部分日食が見られる。安全に注意して観察してみよう。