史上初の彗星着陸から7か月 「フィラエ」からの信号を受信
彗星探査機「ロゼッタ」の着陸機「フィラエ」が7か月ぶりに冬眠モードから目を覚まし、地上のオペレーションセンターと85秒間の交信を行った。
【2015年6月15日 ヨーロッパ宇宙機関】
6月13日(日本時間14日5時半ごろ)、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)の表面にいる着陸機「フィラエ」からの信号が7か月ぶりに地上に届いた。フィラエは親機「ロゼッタ」を通して、独・ダルムシュタットにあるヨーロッパ宇宙機関のオペレーションセンターと85秒間の交信を行った。
データの分析から、フィラエは交信以前に目を覚ましていたことが明らかになっており、何らかの理由で交信できなかったようだ。目を覚ましてからの数日間にフィラエに何が起こったのかを探るため、地上の関係者は現在、次の通信を待っている。
「フィラエの状態は良好で、機体の温度は摂氏マイナス35度、電源も24Wが使用可能で、稼働の準備は整っています」(フィラエのプロジェクトマネージャーStephan Ulamecさん)。
彗星の表面にタッチダウンするフィラエの想像図(提供:ESA/ATG medialab)
昨年11月にロゼッタから彗星表面に投下されたフィラエは史上初の彗星着陸を果たしたものの、太陽光がじゅうぶん当たらない日陰に着地してしまった。そのため、着陸後しばらくしてからは電力不足により冬眠モードに入っていた。彗星が太陽に近づくにつれて日照時間が増え、フィラエが再起動し通信を再開すると期待されていたが、ついに目覚めたようだ。
ロゼッタのTwitterで「フィラエが起きてる!」とツイートした際に投稿された画像