「あかり」が見た、「はやぶさ2」が向かう小惑星1999 JU3
探査機「はやぶさ2」が向かう小惑星1999 JU3を、赤外線天文衛星「あかり」でとらえていた画像が公開された。
【2015年9月3日 赤外線天文衛星「あかり」】
探査機「はやぶさ2」が2018年の到着を目指しているターゲットの小惑星(162173) 1999 JU3が、赤外線天文衛星「あかり」によって観測されており、その画像が公開された。2007年5月16日に行われた約10分間の観測時間中に取得された多数の画像データの中から、波長15μmにおける画像を2枚選び出して重ね合わせたもので、約7分間に小惑星が空を移動していく様子がとらえられている。
「あかり」がとらえた小惑星1999 JU3。左下には別の小惑星2000 RY100も写っている(提供:ISAS/JAXA)
観測時、1999 JU3は地球から約1.5億km、太陽からは約2.1億km離れており、やぎ座の方向で約22等級(可視光線での明るさ)に見えていた。
このような赤外線観測のデータと、可視光線によるデータを組み合わせることで、小惑星の大きさや表面の性質を推定することができる。小惑星の素性を明らかにするだけでなく、探査計画にも重要な情報を提供してくれるのだ。
撮影時の「あかり」(地球)と小惑星1999 JU3の位置関係。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)