冥王星と衛星の地名のテーマが公式決定

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国際天文学連合は、冥王星やその衛星の地形の名称について公式にテーマを決定した。冥界の神や冥王星研究に尽力した人物、探査機などが選ばれており、今後はテーマに沿った名称が提案、承認されていくことになる。

【2017年2月28日 IAUNew Horizons

2015年7月、探査機「ニューホライズンズ」は冥王星とその衛星をフライバイ(接近通過)して探査を行い、表面に広がる窒素の氷河や氷の山々、峡谷、崖、クレーターなどをとらえ、太陽系の果てにある複雑な世界に関する貴重な情報を私たちに届けた。

冥王星
ニューホライズンズがとらえた冥王星。過去のニュースにたびたび登場した「トンボー領域」「スプートニク平原」「クトゥルフ領域」などは、現時点ではすべて「非公式名」(提供:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute)

同年、NASAのニューホライズンズ・チームとSETI協会、国際天文学連合(IAU)は共同で冥王星に関する命名キャンペーン「Our Pluto」を実施し、人々から冥王星や衛星の地形について名称案を広く募集した。その際、6つの世界(冥王星と5つの衛星)それぞれについて、IAUの惑星系命名ワーキング・グループが設定した一連の命名テーマが指定された。キャンペーンに参加した市民は様々な名称を提案したり投票したりし、承認されていないテーマの名前の提案さえも行われた。

このたび、IAUは内容を一部改正したうえで、正式に冥王星と衛星の地名テーマを決定した。今後、ニューホライズンズ・チームによって名称案が提出され、IAUの承認を経て公式の地名が付けられていくことになる。


各天体ごとのテーマ

  • 冥王星:
    • 神話や民話、文学に登場する、冥界の神や生き物
    • 神話や民話、文学に登場する、冥界の呼び方やその場所
    • 冥界の英雄や探検家
    • 冥王星やカイパーベルトに関係する科学者、技術者
    • 先駆的な宇宙ミッションや探査機
    • 大地や海、空の探検において、新しい地平を越えた歴史的先駆者
  • カロン:
    • フィクションでの宇宙探査などにおける目的地やマイルストーン
    • フィクションや神話での、宇宙船や探査船
    • フィクションや神話の旅行者、探検家
    • 宇宙探査(とくに冥王星とカイパーベルト)に関係する作家、芸術家
  • スティクス:
    • 河川の神
  • ニクス:
    • 夜の神
  • ケルベロス:
    • 文学、神話、歴史上の犬
  • ヒドラ:
    • 伝説のヘビやドラゴン

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