2023年10月の星空

ペガスス座が天高く駆ける、秋本番の夜空。そこから南の地平線に向かって視線を下ろすと、みなみのうお座のフォーマルハウトが見つかる。フォーマルハウトは「秋のひとつぼし」と呼ばれることもあるが、今年と来年はフォーマルハウトの上に土星が並んでいるので「ふたつぼし」だ。明るさを比べたり、土星の環を望遠鏡で観察したりしよう。東の空で明るく目立つ木星も見逃せない。

その木星は29日に丸い月と接近するが、29日の明け方には部分月食も起こる。低空・薄明中・欠け具合が小さい、と見やすい現象ではないものの、日本で次に見られる月食は2年後なので貴重な機会だ。西の空が開けたところで観察しよう。振り返って東の空を眺めれば、明けの明星の金星が眩しく輝いている。

また、食つながりで15日の金環日食もお忘れなく。これは日本では見えないので、中継映像で金のリングを楽しみたい。来年4月のアメリカ横断皆既日食に向けて準備を始める、第一歩にしてみてはいかが。

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全天星図

全天星図

東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。

主な天文現象

2日（月） おひつじ座δ星ボタインの食
9日（月） 10月りゅう座流星群が極大
10日ごろ 金星とレグルスが接近
11日（水） 細い月と金星が並ぶ
15日（日） 金環日食（北中アメリカ、ブラジル）
22日（日） オリオン座流星群が極大
24日（火） 金星が西方最大離角
24日（火） 月と土星が接近
25日（水） みずがめ座ψ1星の食
29日（日） 部分月食
29日（日） 月と木星が接近
カレンダー（月齢と天文現象）

月、惑星

月

水星

  • 上旬：明け方 -1.1等
  • 中旬：見えない
  • 下旬：見えない
  • 20日：外合

金星（▶ 特集ページ）

  • 上旬：未明～明け方 -4.5等
  • 中旬：未明～明け方 -4.4等
  • 下旬：未明～明け方 -4.4等

火星

  • 上旬：見えない
  • 中旬：見えない
  • 下旬：見えない
  • 18日：地球から最遠

木星（▶ 特集ページ）

  • 上旬：宵～明け方 -2.8等
  • 中旬：宵～明け方 -2.9等
  • 下旬：宵～明け方 -2.9等
  • 1日深夜～2日明け方：月と接近
  • 2日宵：月と並ぶ
  • 29日夕方～30日未明：月と接近

土星（▶ 特集ページ）

  • 上旬：夕方～未明 0.6等
  • 中旬：夕方～未明 0.6等
  • 下旬：夕方～未明 0.7等

天王星

  • 上旬：宵～明け方 5.7等
  • 中旬：宵～明け方 5.6等
  • 下旬：宵～明け方 5.6等

海王星

  • 上旬：宵～未明 7.8等
  • 中旬：夕方～未明 7.8等
  • 下旬：夕方～未明 7.8等

主な彗星（～10等前半）、小惑星（～8等前半）

ズィーティーエフ彗星（C/2020 V2）

  • 上旬：宵～未明 10等
  • 中旬：宵～未明 10等

レモン彗星（C/2023 H2）

  • 中旬：夕方～宵／未明～明け方 10等
  • 下旬：夕方～宵／未明～明け方 9等
  • 14日ごろ：りょうけん座の銀河M106と超大接近
  • 29日：近日点を通過
  • 29日ごろ：おおぐま座ζ星ミザール（2.2等）と接近
  • 29日ごろ：りょうけん座の銀河M51子持ち銀河と接近
  • 31日ごろ：おおぐま座η星アルカイド（1.9等）と大接近

エンケ彗星（2P）

  • 上旬：未明～明け方 8等
  • 中旬：明け方 7等
  • 1日ごろ：しし座γ星アルギエバ（2.0等）と大接近
  • 5日ごろ：しし座の銀河M96と接近
  • 8日ごろ：しし座の銀河M66と接近
  • 19日ごろ：おとめ座γ星ポリマ（2.7等）と接近
  • 22日：近日点を通過

ハートレー彗星（103P）

  • 上旬：深夜～明け方 10等
  • 中旬：未明～明け方 10等
  • 下旬：未明～明け方 10等
  • 13日ごろ：ふたご座の惑星状星雲NGC 2392と大接近

小惑星ベスタ（4）

  • 上旬：未明～明け方 8等
  • 中旬：深夜～明け方 8等
  • 下旬：深夜～明け方 8等

小惑星メルポメネ（18）

  • 上旬：宵～明け方 8等
  • 中旬：宵～明け方 8等
  • 下旬：宵～明け方 8等