2023年1月3日 パラスがおおいぬ座で衝
深夜の南の空に見えているおおいぬ座に位置する小惑星パラスが、1月3日に衝となる。太陽‐地球‐パラスがまっすぐに並び、観察しやすい時期だ。
明るさは約8等級で、双眼鏡や小型の天体望遠鏡でも見つけられる。南中高度が20度ほどと低めなので、街明かりの影響が小さいところで探してみよう。犬の後ろ足にあたる2等星アダラなどが目印になる。1月から2月にかけてはおおいぬ座の領域内を北上し、散開星団M41や1等星シリウスの近くを通り過ぎていく。移動の様子を追いかけてみるのも面白そうだ。
パラスは火星軌道と木星軌道の間の「小惑星帯」の中にあり、ケレス、ジュノー、ベスタとともに「四大小惑星」と呼ばれる。1802年に発見された小惑星番号2番の小惑星で、直径は約550km(平均)。軌道の傾きが大きいことから、今回のように黄道からかなり離れることがある。
パラスの位置。括弧内は等級。星図の星は8等級まで
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