中国の火星探査機「天問1号」、打ち上げ成功
【2020年7月27日 中国国家航天局】
7月23日13時41分(日本時間)中国・海南省の文昌航天ロケット発射場から火星探査機「天問1号」を搭載したロケット「長征5号」が打ち上げられた。打ち上げから約36分後、天問1号は予定どおり火星へ向かう軌道に投入された。
火星探査機「天問1号」を搭載したロケット「長征5号遥4」の打ち上げ(提供:中国国家航天局)
天問1号は中国が自国で打ち上げたものとしては初の惑星探査機となる。中国の惑星探査計画には、2011年にロシアの火星探査機「フォボス・グルント」に相乗りして打ち上げられた「蛍火1号」があったが、火星に向かう軌道投入に失敗していた。
周回機と着陸機からなる天問1号は2021年2月ごろに火星に到着し、周回軌道に入る予定だ。2~3か月かけて高解像度カメラを使って着陸地点を調査し、5月の着陸に備える。探査車は約3か月、周回機は1火星年(地球の約687日)の探査期間中に、地質構造や土壌の特徴、表面物質の組成、表面における水の氷の分布、大気電離層、気候などを調べる予定となっている。
「天問」という名前は、古代中国の詩人である屈原(紀元前340-278年)が天地創造をはじめとした森羅万象について170以上の疑問を列挙した同名の詩に由来しており、中国国家航天局(CNSA)では真実と科学の追究や自然と宇宙の探求を表すものとしている。
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