12.流星・火球
夜空を眺めていると、時々星がスーっと流れることがあります。実際には恒星が動くのではなく、砂粒ほどの小さな天体が地球の大気圏に飛び込み、大気との摩擦熱によって高温になり発光する現象です。これを一般に「流星」と呼んでいます。なお、特に明るいものは「火球」と呼ばれます。また、流星の中には消滅後に経路に沿って淡い痕跡を残すものがあります。これを「痕」といいます。短いもの(短命痕)では一瞬ですが、長いもの(永続痕)では数秒から数分におよぶことがあります。
さらに、大気中で燃え尽きることなく、地上に落下したものを「隕石」「隕鉄」などと呼んでいます。
通常、平均すると1時間に数個程度の流星出現が期待できますが、季節や時間帯によってまちまちです。1晩のうちでは夜半前よりは夜半過ぎの方がはるかに出現数が多くなります。また、毎年決まった時期になると活発に活動するものがあり、「流星群」と呼ばれています。また、その他の流星を「散在流星」といいます。
流星が発光する時の高度は、地上100〜200kmくらいで、消滅する高度は70〜90kmくらいとなります。なお、火球と呼ばれるものは、質量が大きく消滅点が高度40〜50kmになることも稀ではありません。
そういう意味では「流星」は天文現象というより、大気現象に分類した方がいいのかも知れません。
■流星群
流星の多くは、ほとんど無秩序に飛んでいるように見えます。他の天文現象と違って、現象を詳しく正確に予報することはできません。しかし、毎年決まった時期に、天球上のある点を中心として放射状に飛ぶ流星の一群があります。これらを「流星群」と言います。放射の中心点を「輻射点(ふくしゃてん)」と言い、その位置の近くにある恒星の名前をとって、「りゅう座ι流星群」「ペルセウス座γ流星群」などのように呼ばれます。
流星群の元になる流星物質の起源は彗星や小惑星と言われています。彗星の軌道上には彗星の撒き散らしたダストがあり、これと地球が接したときに流星が降り注ぐというわけです。各流星群の元になる天体を「母天体」と呼びますが、有名なペルセウス座γ流星群の母天体はスイフト−タットル周期彗星であると言われています。図は、地球軌道とスイフト−タットル周期彗星の軌道の関係を表したものですが、地球軌道と彗星軌道の交点を地球が通過するのは8月12日となります。地球は毎年この日に、スイフト−タットル彗星の残して行ったダストの帯を通過します。そして、この日がペルセウス座γ流星群の出現が最も多くなる日(極大日といいます)となります。
ステラナビゲータ では以下の流星群をサポートしています。
| 流星群名 | 極大日 | 特 徴 |
|---|---|---|
| しぶんぎ座流星群 | 1月 4日 | 1年の最初の流星群。1時間当り50個以上の出現。極大のピークは短い。速度がやや速く、痕を残すものは少ない。りゅう座ι流星群とも呼ばれる。3大流星群の1つ。 |
| こと座κ流星群 | 4月22日 | 1時間当り10個程度の出現。平均光度は2等級と比較的明るい。まれに突発的な大出現が見られる。 |
| おとめ座流星群 | 4月26日 | 活動期間は長く3月上旬から4月末まで。極大時でも1時間当り数個程度の出現。速度は遅く、ときおり火球が出現する。 |
| みずがめ座η流星群 | 5月 5日 | ハレー彗星を母天体とする流星群。南半球では1時間当り100個程度。日本からは条件悪く1時間当り10個程度の出現。速度が速く、青白く、痕を残すものが多い。 |
| みずがめ座流星群 | 7月29日 | みずがめ座に輻射点を持つ4つの群(δ南群/北群、ι南群/北群)の総称。4群合わせても1時間当り10個程度の出現。 |
| やぎ座α流星群 | 8月 1日 | 本田・ムルコス・パジュサコバ彗星が母天体。出現数は多くないが、ゆっくりと流れて経路の末端で爆発するものが多い。 |
| ペルセウス座γ流星群 | 8月12日 | スイフト・タットル彗星が母天体。1時間当り80個以上の出現。1991年には日本で1時間当り300個を超える出現が観測された。3大流星群の1つ。 |
| はくちょう座流星群 | 8月19日 | 8月の下旬に見られる。出現数は少ないが、明るくて最後に爆発するものがある。 |
| りゅう座γ流星群 | 10月 8日 | 周期6.5年のジャコビニ・チンナー彗星が母天体なので「ジャコビニ流星群」とも呼ばれる。ふだんはほとんど見られないが13年ごとに大出現することがある。 |
| オリオン座ν流星群 | 10月21日 | ハレー彗星が母天体。1時間当り10個程度の出現。速度は速く、平均光度は2等級と比較的明るく、永続痕を残すものが多い。 |
| おうし座流星群 | 11月 3日 | 北群と南群に分かれていて、活動期間は10月中旬から11月末まで。1時間当り3個程度。速度は遅く経路は長い。 |
| しし座γ流星群 | 11月17日 | 母天体は周期33年のテンペル彗星。2001年に日本で1時間当り数千個という大流星雨。平均光度1.5等級で、痕を残すものが多い。 |
| ふたご座α流星群 | 12月13日 | 母天体は小惑星ファエトン。1時間当り50個以上の出現。速度がやや速く、平均光度2等級、その1割が0等級より明るい。3大流星群の1つ。 |
| こぐま座β流星群 | 12月22日 | 母天体は周期13.2年のタットル彗星。1980年にヨーロッパで1時間当り50個以上の出現。通常はそう多くない。速度が速く、平均光度2等級。 |




