2021年2月の星空
ナンテンの赤い実は縁起物だが、ちょうど今の時期の宵空にも、南天に赤い星が輝いている。オリオン座の1等星ベテルギウスだ。昨冬は暗くなっていたが、今期はいつもどおりの明るさを取り戻している。ベテルギウスを含む冬の大三角や、ベテルギウスを取り囲む冬のダイヤモンドをたどり、星座巡りをしてみよう。冬のダイヤモンドに含まれる、おうし座のアルデバランも赤っぽい。
さらに南西の空には火星も赤く輝き、ベテルギウス・アルデバラン・火星がおよそ等間隔で並んでいる。どの星も明るいので、出かけなくても、天体望遠鏡がなくても見える。自宅付近からでも星空を見上げよう。
もう一つ、南天の赤い星といえば、寿星とも呼ばれるカノープスもある。本来は白~黄白色だが、本州付近では地平線近くにしか見えず、大気の影響を大きく受けるために赤っぽくなるのだ。このカノープスを見るには、見晴らしの良いところまで出かける必要があるかもしれない。災厄が解消し自由に星空観察が楽しめるようになることを、赤い星々に願おう。
全天星図

東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。