探査機「オシリス・レックス」地球と月を撮影

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アメリカの小惑星探査機「オシリス・レックス」が9月23日午前2時ごろ、小惑星「ベンヌ」へと向かう航路変更のための地球スイングバイを行い、その後に撮影した地球や月の画像が公開された。

【2017年10月2日 NASA(1)(2)JAXA はやぶさ2プロジェクト

アメリカの小惑星探査機「オシリス・レックス」(オサイレス・レックス)は昨年9月に打ち上げられ、来年後半に目標天体の小惑星「ベンヌ」に到着予定となっている。その航路の途中で、地球の重力を利用して軌道を変更する「地球スイングバイ」が9月23日2時ごろ(日本時間)に実施され、オシリス・レックスは地球表面から1万7000kmの距離を通過した。

そのスイングバイ後にオシリス・レックスが撮影した地球や月の画像が公開された。

1枚目はオシリス・レックスが地球スイングバイ完了後に初めて撮影した画像で、11万kmの距離から地球をとらえたものだ。

オシリス・レックスが11万kmの距離から撮影した地球
「オシリス・レックス」が11万kmの距離から撮影した地球。右上に北アメリカ大陸の一部が見える(提供:NASA/Goddard/University of Arizona、以下同)

続いてオシリス・レックスは、もう少し離れた約17万kmの距離から地球を撮影した。画像上部の暗いギザギザ模様は、露出時間が3ミリ秒以下と非常に短いために発生したものである。オシリス・レックスのカメラはベンヌのような暗い小惑星を撮影するために設計されているので、地球のような明るすぎる天体を撮影する場合には露出時間を短くする必要があったのだ。

オシリス・レックスが17万kmの距離から撮影した地球
オシリス・レックスが17万kmの距離から撮影した地球。左下にオーストラリアが見える

その数日後、オシリス・レックスはさらに遠いところから地球と月を共に撮影している。3枚目の画像の撮影時、探査機は地球からは約130万kmの距離、月からは約120万kmの距離を飛行していた。

オシリス・レックスが撮影した地球と月
オシリス・レックスが撮影した地球(左上)と月(右下)

オシリス・レックスが宇宙空間から地球を撮影する一方で、地上からオシリス・レックスを観測するキャンペーンも行われた。地球スイングバイの数日前から観測成功の報告があったほか(参照:「さじアストロパーク、探査機「オシリス・レックス」の撮影に成功」)、日本では当夜の天気が悪い地域が多かったものの多くの観測が行われている。

オシリス・レックスの光跡
オシリス・レックスの光跡(黄色い矢印で示された薄い線)(撮影:北の子猫座さん。画像クリックで投稿画像ギャラリーの特集ページへ)

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