「あかつき」2つのカメラが科学観測を休止

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JAXAは、金星探査機「あかつき」に搭載されている5つのカメラのうち、IR1とIR2の科学観測休止を決定した。

【2017年3月7日 JAXA/ISAS

2010年に打ち上げられ2015年から金星を周回探査している探査機「あかつき」には、5つの科学観測用カメラが搭載されている。このうち1μmカメラ(IR1)と2μmカメラ(IR2)は、2016年12月10日にスイッチを入れることができなくなった。リカバリー作業が進められてきたが、いまだに改善されていない。

原因は特定されていないが、機器劣化の可能性が高いと考えられている。「あかつき」の打ち上げから約7年が経過していることに加え、2010年に金星周回軌道投入に失敗したため2015年の金星周回開始まで想定よりも高い放射線環境に耐える必要があったことで、劣化が進んだものとみられる。

IR1とIR2の科学観測は休止するが、JAXAでは2つのカメラの復旧に向けた検討を継続し、定期的に両カメラのスイッチを入れるコマンドを送信する予定だ。

なお、他のカメラ(中間赤外カメラ、紫外イメージャ、雷・大気光カメラ)は正常に観測を継続している。

金星を観測する「あかつき」の想像図
金星を観測する「あかつき」の想像図(提供:ISAS/JAXA)

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