迫力満点、「ロゼッタ」が間近で見た彗星ジェット
【2014年10月6日 ヨーロッパ宇宙機関】
欧州の探査機「ロゼッタ」が、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)を間近からとらえた。9月26日に撮影された画像では、幅4kmの彗星核のくびれた部分から昇華した氷や内部のガスが噴出し、塵を放出しているのがよくわかる。こうした彗星活動をわずか20kmあまりの距離からとらえるのは、もちろん史上初めてのことだ。こうして放出された物質が、彗星の特徴であるコマ(大気)や尾となって広がっていく。
「ロゼッタ」は11月に着陸機「フィラエ」を地表に降ろし、今後太陽に近づくにつれてさらに活発化する彗星活動を10km未満の上空と地表からつぶさに探査する。
ロゼッタが9月26日に撮影したチュリュモフ・ゲラシメンコの彗星ジェット。20分間に撮影した4枚の画像をつなぎ合わせているため、それぞれの画像の向きはわずかにずれている。クリックで拡大(提供:ESA/Rosetta/NAVCAM)
星ナビ11月号で紹介
4日発売の「星ナビ11月号」「NewsWatch」コーナーで、「ロゼッタ」ミッションとチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星について解説しています。
〈参照〉
〈関連リンク〉
- 彗星探査機「ロゼッタ」: http://rosetta.esa.int/
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