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2005年夏の星空三昧

夏休みだからこんな事してみたい

双眼鏡で星雲・星団を見てみたい

双眼鏡で星雲・星団を見てみたい 天体観察を楽しむためには、双眼鏡があると便利です。双眼鏡を使うと天体を大きくできるだけでなく、より暗い天体を見ることができるようになります。たとえば肉眼ではぼんやりとしか見えない星雲・星団でも、双眼鏡を使うと細かい部分まで見えてきます。双眼鏡を使うとスターウォッチングの楽しみが増えるので、これから天体観察を始めたいと思っているなら買っておいて損はありません。

STEP 1 双眼鏡の選びかた

 一口に双眼鏡といっても、オペラグラスから据え付け型まで様々なものがあります。しかし、天体観測にベストなのが、口径(レンズの直径)4cm、倍率10倍、通称10×40と呼ばれるものです。
初心者にお勧めなのが軽くて使いやすいビクセンのアルティマZ10×42と、アスコットZE10×40です。

STEP 2 使い方 眼幅合わせ

眼幅合わせ

 双眼鏡で天体を見るときにはいくつかコツがあります。最初に双眼鏡を覗いて視野の円が1つに重なるように、接眼部の幅を合わせます。この幅が合っていないと、天体を見ていて目が疲れます。一度合わせたら、双眼鏡の折り曲げ部に目盛りがついているので印をつけておくと良いでしょう。

STEP 3 ピント合わせ

視度調整リング視度調整

 次にピントを合わせます。どんなに遠くの景色でも星とはピントが違うので、星を見ながらピントを合わせます。ピント合わせは以下の順番で行います。

  1. 双眼鏡で明るい星を見る。
  2. 折り曲げ部にあるピント調整リングを回し、視度調整リングの無い側でピントを合わせる。この時視度調整リングの側の目は閉じておく。
  3. 視度調整リングでピントを合わせる。この時、視度調整リングと反対側の目は閉じておく。

 一度ピントを合わせれば、天体を見ている限りピントを合わせ直す必要はありません。ただし大勢で双眼鏡を使う場合は、人が変わるたびにピントを合わせ直さなくてはいけません。

STEP 4 手ぶれ防止

手ぶれ防止

 双眼鏡の楽しいところは、自由に好きなところを見ることができることです。ただし、手持ちでは視野が揺れて、天体の細かいところまで見る事はできません。彗星の様な淡い天体を見るときには、この手ぶれを少なくする工夫が必要です。特別な器材が無くても、手すりなどに寄りかかるだけでも効果があります。

 しかし、もっとも効果的なのは、ビノホルダーを使って写真用三脚に双眼鏡を取り付けることです。

 三脚は、背が高く、ガッチリしたものを選ぶようにしましょう。

STEP 5 天体を探す

視野円

 満天の星で双眼鏡を空に向けると、これでもかと言った程に星が見えてきます。それだけに目的の天体を探すのにも多少のコツが必要です。まず、双眼鏡で見える範囲を把握しておきます。例えば月を見ても意外に大きく見えます。双眼鏡で見ることのできる範囲は意外と狭いものです。

※右の星図はクリックすると拡大します。視野円は、アルティマZ10×42で見たときに見える範囲で、図の星もアルティマZ10×42で見える9.9等星まで表示してあります。

 ステラナビゲータ Ver.7を使えばお持ちの双眼鏡や望遠鏡の視野円が表示可能なので、とても便利です。星雲・星団のよりくわしい解説はメシエ天体アルバムをご覧ください。

関連リンク

アストロアーツオンラインショップ
→ステラナビゲータ Ver.7(販売終了) / メシエ天体アルバム双眼鏡

天体望遠鏡を作ってみたい

ドブソニアン望遠鏡 星空を見て楽しむには、特に望遠鏡は必要ありません。自分の目や倍率の低い双眼鏡がありば充分スターウォッチングを楽しむことは可能です。しかし、やっぱり天体望遠鏡が欲しいと思うならば、自作してみてはいかがでしょうか?ここではその天体望遠鏡を自分で作ることを紹介します。

 天体望遠鏡には形式としてレンズを使う屈折式と鏡を使う反射式があります。屈折式は扱いやすくて、いかにも望遠鏡といったスタイルをしているのが特徴です。いっぽうの反射式は、構造の都合上、横から覗くことになるので、慣れないと多少の違和感があるかもしれません。しかし鏡を使うということは均質で高価なガラス材を使う必要がないので、大きなものが比較的安価にできるのが特徴です。

 ここで選んだのは鏡の直径が10cmの反射式望遠鏡のキットです。ドブソニアンと呼ばれる簡易なものだから作るのも簡単です。

大きくて高価な天体望遠鏡もいいけれど、自分で作った望遠鏡で見る星空は、また一味ちがったものになるでしょう。

ドブソニアン望遠鏡の作り方

ドブソニアン望遠鏡パーツ

  1. まず台座部分を組み立てます。接着剤ははみ出すくらいにたっぷりつけると頑丈になります。はみ出した部分は、生乾きの時に濡れ雑巾で拭き取るか、乾いてからカッターなどで切り落とせばよいでしょう。
  2. 主鏡ボックスの組み立て。ボックス内部での乱反射を防ぐため、パーツのボックス内側になる面を、あらかじめつや消しの黒塗料で塗装しておくといいです。その他、黒い紙やフェルトなどを貼るのも良いでしょう。
  3. 斜鏡アームの取り付け。これは寸法を計って、自分で取り付け位置を決めなければいけない。寸法は説明書に出ているので、わかりやすいようにマーキングしておくといいでしょう。
  4. 耳軸になる塩ビのリングを取り付けます。これも寸法をあわせる必要があります。
  5. 斜鏡部分と接眼部を組み立てます。
  6. 主鏡を取り付ける。ボックスに入れる時に、鏡に傷をつけたり汚さないように気をつけましょう。
  7. 説明書通りに光軸を調整したら完成です。星空の下に持ち出して、実際に夜空を眺めてみましょう。
  8. 天体を導入するには、斜鏡アームの向きを目安にするといいです。小さなパイプを使って素通しのファインダーを作ると、なお使いやすいでしょう。

ドブソニアン望遠鏡の作り方

アドバイス1:直角を出す必要がある部分は、平面の床や机など、なにか平らな台の上に置いて作ると良いです。ボンドが生乾きの状態になり、少し動かしてもズレないようになったらクギを打ちます。

アドバイス2:使われている鏡は、ガラスの表面にアルミニウムがコーディングされている「表面鏡」です。洗面所などの「裏面鏡」と同じ感覚でゴシゴシ拭いてしまうと、キズだらけになってしまいます。もしも接着剤などの汚れがついてしまったら、濡れたティッシュでそっと拭き取るようにしましょう。

※右の図はクリックすると拡大します。「ドブソニアンの作り方」

関連リンク

アストロアーツオンラインショップ
組み立て望遠鏡キット双眼鏡

星のイベントに参加してみたい

 夏は一年で一番明るい天の川と、にぎやかな星座たちをたのしめる季節です。この時期は各地で星のイベントが多数開催されます。仲間と家族と恋人と…めいっぱい夏のイベントを楽しみましょう。また以下のイベントにはアストロアーツも参加致します。ステラナビゲータ、星ナビ、天文ムックなど取り揃えて皆様とお会いできることを心よりお待ちしています。

 もちろんほかにもイベントはたくさんありますのでPAOナビで調べて、夏のイベントをめいっぱい楽しんでください。

'05 第12回サマーホリデーin原村星まつり 長野県原村

標高1300mに位置する八ヶ岳自然文化園から見える満天の星々が、見る人の心をロマンチックな世界へといざなってくれます。

富士山麓スターウォッチング 静岡県御殿場市

空気の住んだ高原で、上弦の月、ペルセウス座流星群、天の川、金星・木星・火星、そして星雲・星団たちを見つめてみませんか。

胎内星まつり2005 新潟県黒川村

50社を越える望遠鏡・カメラ・ビデオ機器メーカーをはじめ、各販売店もブースを開設する予定。胎内自然天文館で60cmカセグレン望遠鏡をのぞけます。