すばる望遠鏡、150億kmかなたの太陽系の最遠天体を発見
【2015年11月13日 Science/Phys.Org】
発見された小天体V774104は現在、太陽から約154億km(103天文単位、1天文単位は太陽から地球までの距離で約1.5億km)の距離にある。これは冥王星までの距離の約3倍も遠いところだ。これまで太陽系内で最も遠いとされてきた天体は準惑星エリスで、太陽からエリスまでの距離は約145億km(97天文単位)である。
V774104と太陽の想像図(提供:NASA/JPL-Caltech)
V774104の軌道はまだはっきりわかっていないが、小惑星セドナや2012 VP113と同様、「内オールト雲天体」という分類に属するものかもしれない。セドナなどは太陽に一番近づくときでも50天文単位より内側には来ず、反対に一番遠いときには1000天文単位ほどにも太陽から遠ざかる。こうした天体の軌道は、さらに遠くの未知の太陽系内天体や別の恒星の影響を受けているのかもしれない。
「わたしたちが考えていた以上に太陽系が大きいという、新たな証拠です。V774104の軌道を明らかにして、幅500~1000kmほどと考えられている天体の正確な大きさを決定するにはもう少し時間が必要ですが、この距離に位置していて見えるのですから、大きいはずです」(コーネル大学 Joseph Burnsさん)。
〈参照〉
- Science: Astronomers spot most distant object in the solar system, could point to other rogue planets
- Phys.Org: Astronomers spot most distant object in solar system
〈関連リンク〉
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