彗星着陸機フィラエから再通信
【2015年7月14日 ドイツ航空宇宙センター】
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)を周回中の探査機「ロゼッタ」から彗星表面に投下された着陸機「フィラエ」は、昨年11月の着陸後しばらくして電力不足のため冬眠モードに入っていた。6月13日に7か月ぶりの交信に成功したものの(参照:アストロアーツニュース「史上初の彗星着陸から7か月 「フィラエ」からの信号を受信」)、6月24日から再び通信が途絶えてしまっていた。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星上の探査機「フィラエ」の想像図(提供:DLR)
そんななか、7月10日未明(日本時間)に再びフィラエと12分間通信することに成功した。彗星核の内部構造を探る観測機器「CONSERT」の起動が確認され、CONSERTが取得したデータも送られてきている。通信が成功したりしなかったりする原因は不明なままだ。
「1つだけ確かなことは、フィラエが厳しい彗星上での環境に耐え、活動し、私たちの送ったコマンドに応答したということです。ひじょうに喜ばしいニュースです」(ドイツ航空宇宙センターのKoen Geurtsさん)。
〈参照〉
〈関連リンク〉
- ヨーロッパ宇宙機関: http://www.esa.int/
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- 2015年6月号 特集「彗星核の「芯」に迫る」
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