2003年 しし座流星群

2001年11月19日未明に日本で記録的な大出現が見られ、昨年もアメリカやアフリカで活発な活動が見られた「しし座流星群」。2003年には大出現はないだろうと予報されていますが、油断は禁物です。今年もしし座流星群には要注目。

2003年のしし座流星群はどう見える?

ここ数年、流星群の出現予報の精度はかなり高くなってきています。流星群のもととなる、彗星が撒き散らしたチリが彗星の軌道に沿って分布した「ダスト・トレイル」の位置を、かなりよく求められるようになってきたからです。このダスト・トレイルの分布に基づいた理論により、2001年をはじめ過去4年間のしし座流星群の出現ピーク時刻と場所はほぼ正確に予報されてきました。

この理論によれば、残念ながら2003年にはしし座流星群は大出現とはならないようです(次回は2006年に少し出現すると予報されています)。しかし、ひょっとすると未知のダスト・トレイルが存在したりまだ知られていない要因があったりする可能性もあります。今年は予報が「よいほうに外れる」ことを期待しながら、しし座流星群を観望してみてはいかがでしょうか。

2003年は大出現は期待薄ですが、11月14日1時〜3時ころにダスト・トレイルと接近しピークがある可能性が指摘されています。また、20日2時ころにも別のピークがあると予報されています(詳しくは日本流星研究会の最新ニュースなどをご覧ください)。

今年はさらに条件の悪いことに、放射点(ここを中心に四方に流星が飛んでいるように見える点)のすぐ近くに下弦の月があります。なるべく月明かりの影響を受けないように、放射点から離れた方向(西を中心とした空)に注目してみましょう。流星は放射点から離れるほど長く見えるので、長経路の流星を見ることができるかもしれません。

流星群観望のポイント

少しでも暗い流星をたくさん見つけるためには、「光害の少ない暗いところ」「地平線近くまで視野の開けているところ」を選ぶのが大切です。都市部ではそういう場所を見つけるのは難しいかもしれませんが、河川敷や公園などを探してみましょう(公園やグラウンドなど、夜間の出入りを禁止している場所もありますので気をつけてください)。また、街灯などの明かりを直接見ないよう、反対方向を向いたり帽子をかぶったりして工夫しましょう。

11月中旬の明け方の現象ですので、相当冷え込みます。防寒は万全にしておきましょう。

流星観望は、深夜から明け方にかけて行うものです。安全性などにじゅうぶん注意しましょう。また、マナーを守り、他人に迷惑をかけないように気を配りましょう。