流れ星が見えるしくみ

毎年12月中旬に、安定してたくさん流れる

毎年決まった時期に星空の同じ位置を中心にしてたくさんの流星が流れますが、これを流星群といいます。12月のふたご座流星群は、1月のしぶんぎ座流星群8月のペルセウス座流星群とともに三大流星群のひとつに数えられています。

ふたご座流星群は、12月14日前後のピーク時には毎年安定してたくさんの流星が飛び、ほとんど期待を裏切りません。近年明るい流星も増えていて、寒さに耐えながらも見る価値じゅうぶんの流星群です。

実は平行に降る流星群

流星群は、天球上のある1点から四方八方に放射状に流れるように見えます。この1点を「放射点」と呼びます。流星群の名前は放射点のある(または放射点の近くの)星座や恒星の名称が付けられます。ふたご座流星群はふたご座のα星カストルの近くに放射点があるので、この名前で呼ばれています。

ふたご座流星群の放射点は、宵の口には地平線から昇ります。冬至に近いこの頃は暗くなるのが早く夜が長いので、夜の早いうちから一晩中観察できます。

流星は宇宙空間に散らばっている小さな塵(流星物質)が地球の大気圏に飛び込んで大気中の原子や分子と衝突し、プラズマ発光する現象です。地球が塵の中に突入すると、流星群は雨のように平行に降ります。

平行に降る流星

平行に飛び込んでくる流星が放射点を中心として放射状に流れるように見えるのは、一直線の道路の両端が遠方の1点から伸びてきているように見えるのと同じ理由です。

流星の見かけの動きは、放射点付近では流星経路が短く、放射点から離れるほど流星経路が長く見えます。放射点では流星は観察者に向かってくるように見えます。

放射点付近では短く、放射点から離れると長く見える

ふたご座流星群の起源

流星群のもととなる塵(流星物質)は、尾をたなびかせる彗星から放出されます。

近年、ふたご座流星群の起源となった母天体は小惑星ファエトンではないかと考えられています。しかし、小惑星には尾はありません。つまり、ふたご座流星群の母天体がファエトンであるとすれば、かつてはファエトンは彗星であったかもしれないということになります。

「ふたご座流星群を生んだ小惑星ファエトン、現役の彗星だった」(2013年6月天文ニュースより)

ファエトンの軌道を地球が通過し、ふたご座流星群が見える

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